2012年4月30日(月)
●台湾のオービス
今日から本格的に旅行開始。午前中はI氏、J君と列車を撮影します。
あれ?IT氏は?と突っ込まれた方、隅々までお読み頂きありがとうございます。
今回のメンバーは海外旅行経験がそこそこあるメンバーが揃っている為、行きたい所があれば適宜、別行動を取ると言うスタイルを取っています。今日、IT氏は宜蘭にあるウィスキー工場へ行くとの事で別行動となります。
さて、宿泊したホテルは朝食付きであるが、時間が早いため朝食を放棄してチェックアウト。
IT氏以外の我々3名は台東線の撮影を行うことに。
さて、今回借りたレンタカーは米国Garmin社製のカーナビが付いてます。
レンタカーに付いているカーナビはマルチ言語対応。日本語もOK!
台湾に居るのに日本語で案内されるのは、なんともシュールな雰囲気です(笑)
ただ、本当に日本に居ると勘違いして左側通行すると大変な事になります(汗)
そう、台湾は右側通行!
このまま日本語でも良いのですが、我々は中国語を勉強している身。
これでは勉強にならないので中国語(台湾)を選択します。
当然ですが、これで道案内は全て中国語。
と言っても道案内の単語は決まっているので、そんなに難しくはありません。
そして、走行していると頻繁にとある言葉を耳にします。
前方有測速照相
直訳すると「前方に速度測定カメラがあります」
日本風に言うと「自動速度違反取締機」、通称「オービス」である。
カーナビを使っていると、台湾も日本と同様、多くの速度違反取締機があるのが良く判ります。
しかし、堂々と取締機があるメッセージを流すとは、なんとも判り易いと言うか大胆と言うか(汗)
もっとも、安全運転がモットー(?)のI氏の運転では検知器など...(略)
●撮影タイム
閑話休題、撮影の話に戻ります。
撮影地に到着すると天気は曇り。
しかも時折雨が降る残念な天気(涙)
と言っても折角ここまで来たのだから、という事で撮影を楽しむ。
結果は...かなり撃沈。久々の撮影だからか、ピンが甘い写真を増産してしまうのでした(涙)
お見苦しいカットが多いので鉄道写真は省略(笑)
訪問した場所の写真を紹介します(汗)
漢口站 ごついアンテナが目印 |
続いて鳳林站 | 優等列車「自強號」も停まります |
鳳林站 駅前の様子 | 移動中に莒光號を発見 |
撮影の合間にこれからの予定を決める。
まず、昼前に列車ダイヤ上、空白の時間帯がある為、その間は瑞穗近くの温泉へ行く事にした。
問題はその後で、I氏とJ君は午後も撮影を楽しむ事になっているが、私としてはローカル線の旅も楽しみたい。
昼過ぎに花蓮から玉里の1本があり、それに乗って列車の旅を楽しむという計画だ。
しかし、目指す温泉地、瑞穗は玉里に程近い場所。
ここだと列車の旅は殆ど楽しめない為、一旦、花蓮方面へ戻る必要がある。
そこで一旦、自強號で可能な限り戻ってローカル線の旅を楽しむ事にした。
時刻表で調べると、瑞穗站から光復站まで戻る事ができる。
光復は花蓮と玉里の丁度中間の位置だろうか。
光復から玉里までなら、1時間程のローカル線の旅を楽しめる。
予定が決まった所で瑞穗~光復までの乗車券を購入する。
移動中、最寄の駅へ立ち寄り乗車券を購入。
向かった先は富源站。
小さな駅だが切符を買えるので有人駅。
優等列車は日本で言う急行クラスの「莒光號」が停まる。
ちなみに特急クラスの「自強號」は殆ど通過だが停車する便もある。
窓口で乗車区間(瑞穗~光復)と列車番号(自強221次)を告げ、切符を発券してもらう。
最近は購入駅と異なる発駅、着駅であっても乗車券を購入できる。便利になったものだ。
空席もあり、無事に発券された。
営業距離20km、乗車時間15分で運賃は45元(約130円)
ちなみにJR(幹線)で20km乗車した場合の運賃は320円。
JRだと優等列車に乗る際は別途料金が必要な事を考えると台鐵の運賃の安さが判る。
また、台湾の優等列車は座席指定制。
僅か45元だが、きちんと座席がアサインされている。
優等列車「ちょい乗り」を気軽にできる台湾、何とも羨ましい限りである。
富源站 駅舎 | 駅前は整然と商店が並ぶ |
富源站は時間改札制 | 乗車券GET! |
●温泉!
富源站で乗車券購入後は温泉タイム!
温泉天国台湾。台湾東部は秘境の温泉も多くあり、多彩な温泉を楽しむ事ができる。
ただ、台湾西部と比べて公共交通の充実度がいまひとつと言う事もあり、敷居が高いのが実情。
今回はクルマ移動と言う事もあり、無問題!
道さえあれば好きな温泉へ行ける!
そして、今回向かった温泉は瑞穗から山に入った所にある「紅葉温泉」
秘境の温泉、かつ和風の佇まいでよい雰囲気。
紅葉温泉 | 和を感じさせる佇まい |
敷地内の様子 | 噴水 |
早速、入口で入浴料を払って中へ。
水着に着替え、まずは露天風呂へ。
温泉は貸しきり状態!GW真っ只中の日本ならあり得ない状態。
小雨が降る中温泉を楽しむ。
雨で薄まっているのか、湯船は若干ぬるい感じ。
続いて内風呂へ。
こちらは、結構熱い。
これは温まる!
そして気がついたら1時間経過!
楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります(^^;
いざ、浴場へ! | 露天風呂! |
続いて内風呂へ | 湯船が熱く、温まります! |
●昼食
「紅葉温泉」を出ると既に12時過ぎ。瑞穗から乗る列車の時刻まで40分程しかありません。
とりあえず瑞穗站へ向かいます。瑞穗站には12時20分に到着。何とか食事が出来そうな時間だ。
と言う訳で、駅周辺に駐車して食事処を探す。
瑞穗站付近の様子 |
【地図】紅葉温泉から瑞穗站までの移動軌跡
より大きな地図で 20120430 紅葉温泉から瑞穗站 を表示
が、駅周辺は弁当屋はあるが食堂が見つからない。
折角なので弁当ではなく、その場で食事をしたい。
全然見つからず諦めかけた時に食堂を発見!
中に入って、早速注文!!
と、ここまでは良かったのだが、全然料理が来ない...(汗)
列車発車10分前にようやく到着。
うん、美味しい。
そして発車2分前に完食。
会計をI氏、J君に任せて駅へダッシュ!
間に合うか!?
料理到着 | では、いただきます! |
●列車の旅
不幸中の幸いか、食堂から瑞穗站まではダッシュで1分の距離。
駅に着くと列車が既に停まっている。間に合うか!?
改札で切符にスタンプを押して貰い、急いでホームへと向かう。
ホームに着くと、まだ列車が停まっている。が、これは台東方面へ行く逆方向。乗ったら大変だ。
私が乗る予定の台北方面行き列車は若干遅れての到着。
どうやら間に合ったようだ。吹き出る汗を拭きながら車内へと入る。
台湾の強烈な冷房が何とも心地よい!!
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 | 列車番号 | 運賃 |
瑞穂12:47→光復13:02 | 自強 | 樹林 | 221車次 | 45元 |
列車入線 | 車内へ!冷房が心地よい! |
運賃約130円、僅か15分の旅とは言え座席は用意されている。
腰を下ろして車窓を楽しむ。
田園風景や草原、台湾東部らしいノンビリした車窓を楽しめる。
単線非電化とは言え、高架区間もあるため見下ろす形で景色を楽しめるのも特徴。
眺めていて全然飽きない。
そして、光復站に到着。
正にあっという間の15分間でした。
乗車券 | 高架線を行く |
田園風景 | 大草原を行く |
自強 221車次 | 光復站 駅名版 |
出口へと向かいましょう | 光復站 駅舎 |
●ローカル線の旅
光復站まで来たのは花蓮発、玉里行きの普快車(普通列車)に乗るため。
まずは乗車券を自動券売機で購入。
列車が来るまで、暫く駅の待合室で待つ。それにしても暑い。
駅の待合室で待つ | 室温26℃! |
発車時間が近づくと改札が始まる。
玉里までの乗車券を出し、スタンプを押して貰った上でホームへ向かう。
暫く待つと、玉里行きの普快(普通列車)が到着。
2両編成のディーゼルカー。車内はガラガラ。
1両目の車輌に乗り、前方に腰を下ろす。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 | 列車番号 | 運賃 |
光復13:20→玉里14:18 | 普快 | 玉里 | 4678車次 | 43元 |
玉里行き普快(普通列車) | 車内の様子 |
先頭部の様子 | 一番前は宛ら助手席 |
すると、運転士がここに座れ!と一番前の席を指差す。
ここは「車長座 Staff only」と書かれており、本来であれば乗客は入れない。
お礼を言って席に座らせてもらう。
この列車の一番前の席、運転席の右側に位置しており、助手席の様な位置づけ。
つまり、席に座りながらにして前方景色を楽しめる特等席!
今の日本では、まず体験できないシーンである。
小雨が降る中、光復站を発車!
特等席へ! |
実はこの列車には冷房が付いていない。
南国、台湾。これでは暑いのでは?と思うが、冷房は無くても扇風機が付いており、窓も全開。
走行中は風が適度に入ってきて心地よい。
車内の扇風機 |
両手に田園風景を見ながら台東線の単線非電化区間を行く。
のんびりした風景が楽しめるこの区間も来年には電化されてしまう。
今しか見る事ができない風景を存分に楽しもう。
そして、光復を出て15分経つと見覚えのある駅へ滑り込む。
富源站、午前中に自強號の乗車券を購入した駅である。
列車は駅舎のある待避線へと入る。
ここで自強號に道を譲る為、10分程停車する。
光復站発車! | 単線非電化区間を行く |
富源站 入線 | 駅員さんがお出迎え |
富源站にて | 行先表示 |
自強號通過の為、暫く停車 | 莒光號が入線後、自強號が通過 |
【地図】光復→玉里 普快4678車次の移動軌跡
より大きな地図で 20120430 光復から玉里 を表示
自強號に道を譲った後、再び玉里を目指す。
前述の通り台東線は単線非電化であるが、富源から次の駅である瑞穗の区間は電化工事真っ最中。
殆どの区間でポールが立っている。
ポールが立てば、次は架線が張られ電化工事が一気に進む。
来年の今頃には台北地区と同様の通勤電車が走っているかもしれない(汗)
【動画】富源→瑞穗 普快4678車次の前面展望
瑞穗発車後、列車はラストスパート!
停車駅は残すところ三民と終点の玉里のみ。
と言っても所要時間は23分、台東線は駅間がとても長い!
田園風景をディーゼル音を唸らせながら走っていく。
三民を過ぎた所の踏み切りで、私が乗っている普快4678次を撮っているI氏とJ君を発見!
彼らも私の姿が判ったようだ。お互い手を振って合図する。
そして、14時18分、約1時間の普通列車の旅を終え、終点の玉里站に到着。
駅前でI氏とJ君のクルマが到着するまで暫く待ちましょう。
田園風景を走る | I氏とJ君を発見! |
玉里站 入線 | 玉里站 到着 |
駅構内の様子 | 玉里站 駅舎 |
●撮影再開
玉里站でI氏、J君と合流し、再び彼らと撮影再開。
まず、向かった先は玉里と三民の間にあった廃駅「大禹站」(Dayu Station)
ここで私が乗ってきた普快4678車次の折り返しの普快4675車次を撮影する。
例の如く列車の写真は省略(笑)し、ここでは廃駅の様子を書く事にします。
玉里站 駅前の様子 | 再び撮影へ! |
大禹站は1995年3月1日に廃駅となり、既に17年経過しているが駅舎が当時の状態で残っている。
中に入れる状態だったので、早速駅舎の中へ。
中も綺麗に保たれており、定期的にメンテナンスされている事が伺える。
続いてホームへ出ると、こちらも当時の状態で残っている。
ホーム上では犬がのんびり昼寝をしている。
廃駅 大禹站 | 大禹站 駅舎内へ |
ホームが現存しています | 大禹站 駅前の様子 |
駅が無くなると駅前を含め、周辺が廃れるというイメージを持っていましたが、大禹站では駅前に商店が残り、駅周辺に生活感が漂っていた。駅舎も所狭しと飾り付けがされており、駅が今尚愛されていると言う印象を持ちました。
廃駅となり、列車が通過するようになってからも大切にされている。
そんな大禹站を見て、何だか暖かい気持ちになってきました。
今尚愛されている感がある大禹站 |
●事件発生!
大禹站を後にして南下、玉里を過ぎて向かった先は池上の先にある俯瞰ポイント。
山道と言うか獣道を上った所にあるポイント。
列車を撮ると本当に豆粒の様にしか見えない場所。
列車と言うより、景色を主体に撮る場所とも言えるかもしれません。
夕方近い事もあり、残念ながら影が入りましたが、午前中は雨に降られた我々。
池上の町を見下ろす絶景を見られた事で皆満足!!
本日最後の撮影準備 | 絶景の場所で撮影 |
ここで本日の撮影を終え、既に池上站に到着したと言うIT氏と合流すべく山を下り始めた...
雨で道が濡れている中、慎重に急坂を下る。
その時、助手席に座っているJ君が
「段差がある!避けて!!」
と叫ぶ。しかし、急坂を下るクルマ。滑りやすい中では微妙なコントロールが困難な状態。
必死のハンドル捌きも効かず
タイヤが段差に激突!
一瞬にしてパンクしたと判った。この状態では急坂を下るのは困難と判断。
暫く進んだ所で踊り場を見つけ、そこでクルマを停車。
スペアタイヤへ交換する事に。
幸いにしてI氏がタイヤ交換の経験があり、無事に交換が完了。
踊り場に停車 | タイヤ交換完了 |
●習慣の違い
I氏の慎重なハンドル捌きの甲斐もあり、無事に急坂を下りきる事ができた。
I氏、本当にお疲れ様でした!
ここまでは無事にクリアできたが、スペアタイヤでは旅を続けられない。
タイヤを交換しなければならない。
日本国内で地方をドライブしていてパンクした場合、どこでタイヤを交換できるか。
近くにカー用品店があれば、そこで交換してもらうが、無い場合はガソリンスタンドへ行くと思う。
我々も同じ事を考え、とりあえずクルマを最寄の町、池上へと走らせた。
そして、池上入口にある交差点の赤信号で停まった時、前方にタイヤ店、右側にガソリンスタンドを発見。
どちらへ行こうか?と相談した所、まずはガソリンスタンドだろう、と言う事になり、そちらへ向かう。
ガソリンスタンドに入り、店員にクルマのタイヤがパンクして交換したい旨を説明する(もちろん中国語)と、「パンクで何でガソリンスタンドへ来るの?」と言った雰囲気。
「あちらのタイヤ店で交換してくれ」
とのこと。
確かにガソリンスタンドは給油する場所。
中国語でも油を加える駅という漢字で「加油站」と表現する。
我々も理解していたが、日本の「総合サービスステーション」化したガソリンスタンドのイメージが先行して、まずはガソリンスタンドへ!と言う考えに至ってしまった。
しかし、ここは台湾。海外では日本の常識は通用しない事を改めて知った出来事であった。
●事態収束
親切にタイヤ屋へ導いてくれた店員さんにお礼を言って道の反対側にあるタイヤ屋へと向かう。
先ほどと同様にタイヤがパンクしたので交換して欲しいと中国語で説明。
早速、状況を見てくれる事に。
そして予想通りタイヤを交換する必要があるとの事でお願いする。
ただ、全く同じ型のタイヤの在庫が無いらしく、若干幅広のタイヤへの交換となった。
まずはクルマをジャッキアップ。
先ほど、I氏が工具で少しずつ上げたのを空気圧を利用して一気に上げる。
我々一同びっくり(笑)
そしてプロによる素早い仕事であっという間にタイヤが交換される。
最後にスペアタイヤをトランクに格納して作業完了。
気になるお値段は工賃込みで3,300元(約9,339円)
他の作業を止めて対応して頂いた店員さんにお礼を言いタイヤ屋を後にするのであった。
余談ですがパンクした場合のタイヤ交換は海外旅行保険の補償対象外です...
お世話になったタイヤ店 |
●ホテル探し&夕食
池上站で宜蘭にあるウィスキー工場へ行っていたIT氏と合流しホテル探し。
向かった先は予めチェックしていたホテル「池上大地飯店」
駐車場にクルマを停め、カウンターへ向かい交渉開始。
まずは部屋の空きを確認してから1泊の価格を確認。
すると、ツインルーム2部屋で2,400元の回答。(一人当たり600元)
部屋を見せてもらい、問題なさそうなので、ここに決定。
念のため、価格交渉もしてみたが、この値段はこの辺りで一番安いとのこと。
ごもっとも(汗)
池上大地飯店 |
部屋に荷物を置いて落ち着いた所で夕食へ向かう。
途中、池上弁当の博物館の入口にある車輌を見ながら池上站へ向かう。
我々としては食事処が無いか探していたが、どうやら池上駅周辺は弁当屋しか無さそうな雰囲気。
台湾の米処、そして駅弁が有名な池上。
折角なので夕食は弁当にしよう!と方針変更。
IT氏は池上站の駅弁を購入し、私を含めた3人は宿泊したホテルの弁当を購入する事に。
コンビニで酒、つまみを調達しつつホテルへと戻る。
ホテルに戻り、早速お弁当を購入。
そして、1階の食堂を使わせて頂き宴会開始。
アツアツのお弁当を頂き色々な事があった1日が幕を閉じるのであった。
池上弁当の博物館にある車輌 | 角度を変えてもう一枚 |
駅前の弁当屋 | 犬がいました |
お弁当 | では、いただきます! |
ごちそうさまでした! |