1月6日(金)
●北上開始!
 朝9時前に宿をチェックアウト。まずは高雄車站に向かう。高雄で朝食タイム。駅構内 のコンビニで朝食を購入し、コンビニの横に用意されている座席で食べる。半年前に高雄 を発つときと同じ行動パターンである(笑)
 食後、改札口に入りホームにて列車を待つ。ホームも半年前に台南方面に向かった時と 同様。違いはメンバーが3人である事と乗る列車。半年前は「平快」で台南に向かったが、 今回は反対側のホームに入線する「自強號」に乗車。なんか出世した気分である(笑)
 「自強號」より前に「平快」がゆっくりとホームに入線。折り返しの為、乗客が降りた 後に機関車の付け替えやサボ(行き先表示板)の交換を行う。どちらも人手を必要とする 作業である。普段、殆どの作業が機械化されている日本の鉄道を見ている私にとって、こ のように人が行う作業を見ると頼もしく見え、また心が和む。

サボの交換作業 高雄車站ホーム

●嘉義へ
高雄09:30→嘉義10:46 自強號 1012車次 248元

 「平快」の折り返し作業を見ている内に「自強號」が到着。多くの乗客の入れ替えが行 われる。我々も大勢の乗車する乗客に混じって乗車。優等列車に乗る時はなんとも忙しな い。ここから嘉義まで北上する。  高雄を発車して暫くすると右手に台湾新幹線の車庫と駅が見える。半年前は工事真っ最 中で本当に10月に開業できるのか?と思ったら帰国直後に開業延期を知った。今回見た 感じでは工事は殆ど終了している模様。車庫には新幹線の車両を見かけた。

台湾新幹線のホーム 車庫には新幹線の車両が

●特急「しおかぜ」
 今回乗車した「自強號」は台北の隣の駅である「松山」行き。そして高雄を出ると次は 「岡山」という駅に停車する。岡山から松山を結ぶ鉄道、JRの特急「しおかぜ」を意識 してしまうのは気のせいだろう(笑)ちなみに台湾の方が岡山〜松山間の距離が離れてい ますが、運賃は安くJRの約半額です。(台湾:300km強、日本:約210km)  養殖場を見かけなくなると、台南地方を出たことを実感。途中、何度か新幹線の線路と 交差しながら嘉義を目指す。

岡山車站 台湾新幹線の線路

●2度目の阿里山
 嘉義に着く直前にトイレに行きたくなるが、トイレに行っている間に嘉義を発車してし まうと大変なので我慢して列車を降りる。改札口を出るとトイレへまっしぐら。トイレ休 憩を終えた後に次の乗る列車の乗車券を購入する。
 嘉義と言えば阿里山への玄関口として都市である。我々もご多分に漏れず、これから阿 里山森林鐵路に乗車して阿里山を目指す。阿里山森林鐵路の切符売り場は台鐵と共用にな っており、阿里山森林鐵路の専用窓口は存在しない。阿里山森林鐵路の乗車券を扱ってい る台鐵の窓口で阿里山までの車票を購入する。今回は時間があるので車票の購入はJ君に おまかせ。無事に乗車券を購入。

嘉義車站 切符売場(阿里山迄は4番窓口で購入)

●観光ガイドにお世話になる
 切符を買った後、待合室で行程の打ち合わせを行う。すると観光ガイドの小姐がやって きて話掛けてくる。我々が日本人と判ると彼女の言葉は中国語から流暢な英語に変わる。 彼女は阿里山への交通案内、宿情報の提供を行っているとのこと。既に我々は阿里山森林 鐵路の乗車券を購入済みの為、知りたいのは宿の情報と、嘉義での食事処である。これら の情報を聞くことにする。
 最初、英語を話していた小姐も途中から中国語に戻ってしまう。結局、普段中国語を話 し、私が聞き取れなかったり、判らない単語があった場合に英語でフォローしてもらうと 言ったやりとりに落ち着く。このスタイルが私にとって一番やりやすい。
 宿に関しては前回宿泊した宿を紹介されるが、別の宿を紹介して貰う。値段的に交渉の 余地がありそうだったので、とりあえず保留とする。食事に関しては「Chicken rice」が 有名とのこと。
 必要な情報を聞き出したので小姐にお礼を言って食事と散策に出かけようとすると、荷 物預かり所を教えてくれる。J君とN君はここで荷物を預けることに。荷物を預けるのは 今回で2回目なのであっさり終了。

●Chicken rice
 有名店という事でガイドブックを参照してみると見事に掲載されていた。住所は目抜き 通りである中山路沿いであることを確認。道に迷うこともなさそう。10分程度歩くと「噴 水鶏肉店」と書かれた店の看板が見える。早速中へ入り鶏肉飯(チキンライス)とスープ を注文。昼前だが店内は混雑している。見た感じ、かなりの人気店のようだ。人気がある だけに、出てきた料理も旨い!これまた大満足の食事であった。

噴水鶏肉店 鶏肉飯とスープ

●寺廟を見に行く筈が
 食欲が満たされた後は、街中を散策する。事前に嘉義での散策コースを考えてた際に、 以前、阿里山森林鐵路に乗車した時に沿線の車窓から寺廟が見えたのを思い出した。観光 ガイドにも掲載されているので、今回訪れることにする。しかも、鉄道の沿線沿いという 事で、位置的に阿里山森林鐵路の駅である北門車站にも立ち寄って阿里山森林鐵路の車両 も見ることができると一石二鳥である。鶏肉屋から15分程度歩くと阿里山森林鐵路の北門 車站に到着。途中、道路標識で台湾新幹線の嘉義車站を示す看板があったりする。まだ開 業予定まで9ヶ月程あるので、あまりにも気が早い標識である。
 阿里山森林鐵路の北門車站で撮影後、寺廟を見に行こうとするが、寺廟の気配が感じら れない。次に乗車する列車の発車時刻も迫ってきたので、残念ながら今回は諦めて嘉義車 站に戻る。

気が早い道路標識 北門車站

 嘉義車站に戻る途中、阿里山森林鐵路の「嘉義車庫」を通る。敷地外で車両達を眺めて いると突然、車庫の門が開く。どうやら車で来た関係者が敷地内に入るらしい。敷地内に 入る時、我々の前に停まり、関係者の人が我々に話しかけてくる。
「中で写真撮って良いよ」
一旦、本当に良いのかを確認し「OK」のお墨付きを貰う。お礼を言った後に関係者の車と 一緒に敷地内に入る。
 次の列車の発車時間が迫っていたので、見学はそこそこにして嘉義車站に戻る事になっ たが、阿里山森林鐵路の車両達を間近に見る貴重な体験ができた。

shay型蒸気機関車 嘉義車庫構内

●リーダー交代?
 今回の旅は主に私とJ君が列車や宿の手配を行い、観光地で先導して歩いていた。嘉義 車站までの道中で、いつの間にN君が先頭を歩き我々を先導している。お、やる気あるじ ゃん!これからはN君にも、どんどん切符等の手配を任せよう!これで私は今まで以上に 楽できる(笑)

●乗車直前に
 無事に列車の発車時刻までに嘉義車站に到着。まずは、預けていた荷物を取りに行く必 要がある。荷物一時預かり所に行き荷物を受け取り改札口へ向かう。改札口に向かってい る間に、先程Chicken riceを紹介してくれた観光ガイドの小姐が話しかけてくる。
「宿はあるか?」
これに対して
「還沒有(まだないよ)」
と答えると宿の値段を提示してくる。希望の宿の値段は1,600元であった。あれ?さっき の値段より安い。現地で探すより楽なのと、駅から送迎が出るとの事なので即座に判断、 この値段でOKして宿の手続きを行う。ここで一時金を支払い、現地で残額を払うシステム である。Voucher(支払い証明書)を受け取り、手続きが終わると発車5分前!急いで改 札口に入り乗り場に向かう。ホームに行くと既に列車が来ているので早速乗り込む。今日 は4両編成で前回訪問時より1両多い。

阿里山號(先頭) 阿里山號(最後尾)

●阿里山森林鐵路
嘉義13:30→阿里山16:58 阿里山號 5車次 399元

 定刻通り嘉義を静かに発車。阿里山を目指す。民家がぎりぎりまで迫った所を通り、先 ほど訪れた北門車站に停車。ここから徐々に嘉義の街を出て田園風景に変わっていく。途 中、先ほど行こうとして断念した寺廟を通る。標識を見ると嘉義車站まで3キロある事が 判明。諦めて嘉義車站に戻ったのは正解だったようだ。嘉義車站から遠いことが判ったの で今度はバスかタクシーで訪れることにしよう。
 街を出ると一気に田舎の風景に変わる。晴れていれば心地の良い景色であるが今日はあ いにくの曇り空。眺めはイマイチである。その眺めも山岳地帯に入って列車が山を登り始 めるとすぐに霧が掛かってしまう。
 途中、列車は突然待避線に入って作業用車両と交換(行き違い)する。交換後、何故か 列車はバックしてから本線に入る。待避線から本線に出られないのか勾配区間の為、一旦 バックが必要なのかは不明。
 霧は勾配を登る程に酷くなっていき、阿里山森林鐵路の最大の見せ場である三重スパイ ラルは濃霧で全く景色を見られず。うーん残念。

 前回訪れた時は台風で線路が流された為一部不通区間があった。その区間は列車を降り 徒歩で列車の乗り継ぎを行った。今回はこの区間がどのようになったかが気になっていた。 前回の不通区間に差し掛かると列車は何事も無かったように鉄橋を渡る。臨時乗降場に設 けられていた看板がまだ残っていた。

 不通区間を過ぎるとすぐ奮起湖車站に到着。ここも池上車站と同様に駅弁が有名である。 丁度、小腹も空いてきたので購入しようとホームに出ると駅弁売りの小姐がいるが、車内 からも「ビェンダーン(便當)」の声が聞こえる。そう、売り子は車内に入り込んで弁当 を売っているのである。停車時間が短い自強號ではありえなさそうな光景である。とりあ えず、弁当を購入。80元也。山菜がふんだんに入った弁当は美味しい!
 さらに山を登ると霧が晴れてきて車窓からの景色が見えるようになる。森の隙間から見 事な雲海の景色が見られる。車内の人達は一斉にデジカメを持って写真を撮り始める。も ちろん、我々と負けじと参戦(笑)

 スイッチバック区間に入ると辺りも暗くなり景色も見えなくなる。完全に森林の中なの で窓の外は非常に暗い。3つのスイッチバックを通ると阿里山はすぐそこ。阿里山車站を 通過して前回同様に臨時駅に到着。本線の鉄橋は1年半の内に修復されているが、阿里山 車站は未だに再建中である。非常にのんびりしているのが台湾っぽい。

前回の不通区間を鉄橋で越える 仮乗降場にあった看板
奮起湖車站と駅弁売りの小姐 機関車に押されながら登る!

●阿里山到着
 列車を降りると「寒っ!」今回は阿里山を訪れる事になっていた為、南国台湾に行くの にも関わらず厚手のセーター+厚手のジャンパーという真冬の服装で着ている。
 旅の前半の台湾は暖かく常時20℃を越えていた。まあ、暑い分には服を脱げば良いと思 うのだが、今回はリュック一つで旅している。セーターはリュックに収まるものの、厚手 のジャンパーなどリュックに収まる訳がない!宿にチェックインしてから観光する時は宿 に放置すれば良いのだが、宿にチェックインする前に観光する場合はそうはいかない。手 に持つと非常に邪魔になるので、そのまま着て観光する事になるが、25℃もある台東で厚 手のジャンパーなど着ている姿は相当アホだった。
 厚着をしてきたのも、この阿里山の時のため!早速、厚手のセーターを着こんで防寒対 策はバッチリ!である筈だが、それでも寒い!厚着しなかったら大変なことになっていた だろう。

 阿里山は森林保護区の為、駅の出口で入場券を購入してから改札口を出る。前回はパス ポート提示で10元と非常にリーズナブルな料金だったが、今回は100元以上(正確な料金 は失念)を支払う。前回は観光キャンペーン等、何かの特例だったのだろうか?
 駅の外には各宿の送迎車が多く停まっている。その中に我々の停まる宿「青山別館」の 送迎車も停まっている。運転手にVoucherを見せて車内に入る。我々の他に2組の客を乗 せてから出発する。

 宿でVoucherを渡してから残金を支払い、パスポートの確認が済むとチェックイン完了。 すぐに部屋に通される。部屋は狭いが機能的に纏まっていて悪くは無い。逆に狭いおかげ で暖房が効くのでこちらの方が有難い。

●寒い夜は...
 部屋で落ち着いた後に夕食に出かける。こんな寒い夜は、当然鍋でしょ!と2人を納得 させて火鍋を食べに行く。人数が多いと気軽に火鍋を食べられるのが良い。
 阿里山の宿の看板を見ると「暖房完備」書かれている看板が多い。台湾の宿は空調やイ ンターネット等、宿にある設備を宣伝文句として看板に書いているのを良く見かけるが、 一年中暖かい台湾において空調の設備を謳うときは、通常「冷房完備」である。これを「 暖房完備」と謳っている阿里山の宿はそれだけ寒いという事である。最も、真冬のこの時 期、「冷房完備」を謳っている阿里山の宿には絶対に泊りたくないが(笑)

 まずは臨時駅に行って明日のご来光を見に行く為の列車の時刻を調査。先ほど駅に着い た時に見ておけば良かったが、道を確認する為にも一度行っておいた方が良い。臨時駅で 明日の時間を確認した後に適当な店に入って火鍋と4品料理がセットになったメニューと ビールを注文。やはり寒い夜は火鍋!旨い!ビールが台北の屋台の2倍(と言ってもビー ル大瓶1本300円位)と観光地価格であったものの料理は満足。
 食後、店を出ると小雨が降っている。ついに雨が降ってしまった。明日の御来光は厳し そうである。飲み直しをしようと阿里山駅前広場にある商店に立ち寄ろうとして店に入ろ うとしたら店内の照明が消灯されてしまった(涙)別の場所にコンビニもあるが、明日も 早いし、今日は宿に戻って早く寝ることにしよう。

寒い日はやっぱり火鍋!


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