1月2日(月)

●Prologue
 今回の旅行は3人で行くことになった。メンバーは大学の後輩であるJ君とN君。今回の 旅は台湾に行った事が無いJ君の提案から始まった。私は既に3回台湾に行っているが、 まだ台湾東部には行った事がなかった。そこに行けるのならば良いかなと思いOKして、さ らに同じく台湾に行ったことの無いN君が加わった。それぞれ行きたい場所を挙げてもら った後にルートを検討した結果、台湾を一周することになった。そして、1月2日に成田 空港駅の改札口で待ち合わせた。

●出発が遅れる
 成田空港駅で集合した後に昼食を採る。これから1週間、日本料理を食べない生活にな る為、蕎麦にした。
 飛行機は予定時刻には搭乗が完了していたが、滑走路混雑の為、出発が遅れるとアナウ ンスがあり待たされる。結局離陸できたのは予定の30分後であった。台北着が遅れるのは 間違いない。B747-400が離着陸できる滑走路が1つしかないので仕方ないが、アジアの Hub空港を目指すつもりがあるなら、早く何とかして欲しいものである。

成田空港にて 機内にて

●台北到着
 Cathay pacific航空の機材はエコノミー席にもディスプレイが付いている。最近はディ スプレイの付いていない飛行機ばかり乗っていたため嬉しい。今回は快適な空の旅を過ご せそうだ。ミールサービスでビールを注文するとオーストラリア産のビールが出てくる。 何故オーストラリアのビールなのか?(笑)初めて飲むビールであるが、中々の美味。
 飛行機は成田空港での遅れを取り戻すことができず、30分遅れで中正機場に到着。入国 審査を済ませると、いつもの様に両替を行ってからリムジンバスで台北車站に向かう。
リムジンバスの窓口で運賃を確認すると、いつの間にか120元から125元に値上げされていた。

 台北車站到着後、明日乗車する予定の列車の座席を取ることにする。今まで窓口に並べば 乗車券を購入できたのだが、いつの間にか、翌日以降の乗車券を取得する場合、銀行の様に 整理券発行機から番号の付いた整理券を取って番号を呼ばれたら指定された窓口に行き乗車券 を購入システムになっている。台鉄も徐々に機械化が進んでいると実感。
 切符の方は無事に取得でき、あとは宿に行くだけ。今日の宿は日本で予め抑えているので 宿が取れない心配は要らない。台北車站から台北捷運の板南線に乗って忠孝新生站まで行き、 駅前の宿にチェックインする。

●屋台へ
 台北の屋台といえば真っ先に挙げられるのが士林夜市。しかし、今回はあえて士林夜市 を外す事にした。台北捷運で忠孝復興站まで行き、木柵線に乗り換えて一つ目の南京東路 站で下車する。行った夜市は「遼寧街夜市」殆どが食べ物屋で構成されている夜市である。
 小さい夜市なのか、それとも間違って別の場所に来てしまったのか、かなり寂しい夜市で ある。適当に美味しそうな店に入り、「牛肉炒麺」とビールを注文。久々の台湾の屋台を 満喫!今日から台湾料理を毎日楽しめると思うとわくわくしてくる!!
 宿に戻ってから、さらに一杯飲んでから就寝。明日は朝早くから活動開始する。

遼寧街夜市(多分) 牛肉炒麺


1月3日(火)

●朝早く出発
 朝6時前に宿をチェックアウト。今回泊まった宿は朝食付きであったが、7時からなの で泣く泣く放棄。朝食は弁当を購入して列車内で食べることにする。
 宿の目の前にある台北捷運の忠孝新生站に向かう。始発電車の時刻は昨日確認済みであっ たので、その時間にホームに行けば電車に乗れる!
 ...と思ったら予定時刻より早く列車は到着。 おいおい!駅の入口に掲示されている時刻と違うぞ!早めにホームに行っておいて良かった。

台北捷運の改札口 台北車站にはChristmas treeが

台北6:45→蘇澳新8:40 自強號 1051車次 266元

 台北車站の駅構内にあるセブンイレブンで弁当を購入してホームに向かう。台北発6: 45の自強號1051車次、台東行に乗車。非電化区間まで乗り入れるため、列車はディーゼ ルカーである。座席はほぼ埋まっている。座席を予め取っておいて正解であった。
 台北車站発車後、早速、駅で買っておいた弁当を食べる。かなり美味しい。台湾のコン ビニ弁当は手軽で旨くて、しかも安い!日本円で200円強である。
 混雑している車内も瑞芳站で大勢の乗客が下車して車内が空いてくる。 3人とも窓際の席に移動して汽車旅を楽しむ。蘇澳新站で自強號を降りる。蘇澳新站には 定刻通り8:40に到着。

コンビニ弁当「池上便當」美味! 蘇澳新站

●旧型客車の旅
蘇澳新8:53→花蓮10:33 平快 157車次 85元

 蘇澳には日本には無い泉質の珍しい冷泉があるので、蘇澳新站から蘇澳站に行って入浴 したいものだが、今回は我慢し、さらに列車に乗車して花蓮を目指す。
 先程の自強號に乗れば蘇澳新站の次の停車駅が花蓮車站であったりするのだが、ここは あえて平快(各駅停車)に乗車する。前回の台湾旅行では元復興號の水色の客車しか乗車 していないため、密かにリベンジを狙っていたのである。
 今回参加の2人の参加者共に同様の趣味を持っているので反対意見も無し。むしろ歓迎 されている程である(笑)

 蘇澳新站に滑り込んできた列車は念願の藍色の旧型客車!ここから花連まで旧型客車に よる各駅停車の旅が始まる。列車は5両編成で乗車したのは最後尾の5号車。窓はおろか ドアも開放できる!また、最後尾は扉が無く簡易展望となっている。
 車内はガラガラで最後尾の車両は我々の他に1人しかいない。先程の自強號の乗車率と は比べ物にならない。元々蘇澳新〜花蓮間は各駅停車が少なく駅間も長い。景色も海岸沿 いを走るのだがトンネルが多く、車窓は短調である。しかし、時折見せる海岸沿いの絶景 が我々を楽しませてくれる。しかも、窓が開く為、景色を肌で感じることができる。
 平快の旅を十分に楽しみ、10:33に花蓮車站に到着。

平快(鈍行)の入線シーン 平快の車内
途中、自強號に道を譲る 窓から前方を望む

平快の最後尾から撮る 簡易展望?はこんな感じ

●宿探し
 今日から最終日まで宿を抑えていない。従って目的到着後は宿を調達する必要がある。 花蓮車站は街の中心部から離れているため、バスやタクシーで移動しなければならない。
 駅の改札を出て、早速街の中心部まで行く方法を調査しようと、早速客引きが登場。
「何処行くんだ」
とタクシーの運転手に質問されたりする。この客引きを無視していると、今度は宿の客引 きが来る。しかも、日本語で話しかけてくるものだから一瞬警戒レベルがアップ!
但し、タクシーは無視できても、宿は探す必要があるので話を聞くことにする。

 宿の客引きの話によると、宿の往復送迎込みで1,800元である。若干高い気もしたが、 名刺に写っていた部屋の写真が綺麗だったので、とりあえず見ることにする。宿の人の車 (何故かタクシー)に乗り宿に案内して貰う。
 宿の場所について、最初、街の中心部と言っていたが、実は、全然街の中心部では無かっ た。しかし、パンフレット同様に部屋が新しく、清潔であること。さらに部屋から見える 山の景色が気に入ったので、ここに泊まることに決定。
 宿の場所については正直に言って欲しいものであるが、街の中心から離れていると知っ たら泊まらなかっただろうし。ガイドブックの地図には載っていない場所にある宿である ので、このようにして客引きするのも仕方ない。

 宿が決まった後は今度は観光である!花蓮の代表的な観光スポットと言えば「太魯閣渓谷」 である。しかし、ここは交通がかなり不便な場所にある。宿に太魯閣渓谷へ向かうバスの 時刻表が有ったので見せてもらうが、やはりかなり不便である。
 すると、ちゃっかりタクシーの運ちゃんが宿まで客引きしに来て、我々を呼んでいるでは ないか!商魂逞しいなと思いつつ値段を聞いてみると、太魯閣渓谷観光は2,100元とのこと。
 効率的に観光をする事と、今回は3人で来ているため、割り勘にすれば、一人当たりの 値段を抑えることができるので、ここはタクシーで観光することにする。
 そうと決まれば、あとは値切るだけ!2,100元では高いので、1,800元まで値切った上で 交渉成立。観光初日は体力をセーブしつつ、お手軽に観光することになった。

●雄大な太魯閣渓谷
 まだ昼食を食べていないのでタクシーの運ちゃんに食堂に案内してもらった。花蓮はワ ンタンが名物という事でガイドブックにも掲載されている有名なワンタンの店に案内され る。
 メニューは1種類しかないので、人数を告げると問答無用で人数分のワンタンが出て くる。これは旨い!ペロッと平らげる。

花蓮でも有名な「液香扁食店」 名物のワンタン!めちゃ旨!!

 腹ごしらえが終わった所で、ここからは観光タイムである。寺廟や記念撮影ポイントに 立ち寄りつつ太魯閣渓谷を目指す。
 最初は晴れていたが、太魯閣渓谷に付く頃には残念ながら曇ってしまった。光線状態が イマイチなのは残念だが太魯閣渓谷の景色は本当に見事であった。今回はタクシーで観光 した為、色々と停めて貰い見ることが出来、かなり満足。商魂逞しい運ちゃんも仕事熱心 で色々と案内してくれる。運ちゃんは若干日本語が話せるので、連れのJ君とN君とは日 本語で話している。何故か私には中国語で話しかけてくるが(笑)
 太魯閣渓谷のポイントを回って無事に終着点である天祥に到着。運ちゃん曰く、天祥で は「竹筒飯」が名物との事。こりゃ食べなきゃ損という事で食堂で食べる。確かに旨い! これも大ヒット!食後、帰路に着くことになる。

太魯閣渓谷入口 太魯閣渓谷(その1)

太魯閣渓谷(その2) 太魯閣渓谷(その3)
太魯閣渓谷(その4) 太魯閣渓谷(その5)

天祥到着 天祥名物?「竹筒飯」旨!

 帰りに土産屋に通されるという良くありがちなパターンに突入。土産屋だけあって日本 語対応バッチリかと思いきや、そうでもない。日本人対応係っぽい人は居るものの、こち らが懸命に品定め&値切り交渉している最中に同行のN君の言うことが判らんから対応して くれと店員に呼ばれてしまう。おい、俺は客だぞ(笑)
 で、買い物中はタクシーは何処かに行ってしまっているので、買い物後はタクシーが戻 るまで土産屋の外でお茶をご馳走になる。出された茶が烏龍茶だったので、
「これは高山烏龍茶か?」
と質問すると
「そう」
と返ってくる。この茶は結構旨い。今回の旅行では高山烏龍茶が有名な阿里山に行く予定 なので、阿里山について話したりしている内にタクシーが戻ってくる。
その後、タクシーの運ちゃんに宿まで送って貰い太魯閣渓谷観光は無事終了。今回のタク シーの運ちゃんには熱心に案内して貰ったので大満足。お礼を言ってお別れした。

●花蓮の夜市へ
 夕食は夜市で食べる事に。夜市に行こうとすると、宿の主人に呼び止められる。今日泊 まっている1人の日本人の人と一緒に宿の主人に現在地とお勧めの飯屋を日本語で教えて もらう。ここで、今日泊った宿の主人が日本人である事に気づく(気付くの遅すぎ(笑) )
 レクチャー後、車で街の中心部まで送ってもらう。宿が街の中心部では無くても、きっ ちり送迎してくれれば問題ない。さすがに帰りはタクシーで帰ってきてねと言われたが。
 街の中心部に着いて屋台の雰囲気を撮影しようとすると、いきなりデジカメの電池が切れ る。早速電池を交換するが、なんと充電したはずの電池が空っぽで起動しない!なんとい うことか!しかし、ここは花蓮の中心部。近くにあった黄色い派手な建物の電器屋でアル カリ電池を現調して復活。ふぅー、助かった!

 まずは、花蓮の旧駅舎跡に行ってみるが見事に更地になっていて何も無い。気を取り直 して花蓮中心部の排骨麺屋で夕食。久々の排骨麺に大満足♪
 食後は屋台を巡りつつ買い食いしたり、CD屋を覗いたりして花蓮の夜を楽しみ、十分 楽しんだ所で、タクシーに乗って宿の近くにある自強夜市まで戻る。
 何故、宿ではなく夜市なのかと言うと、地元民ではない我々が住所を提示した場合、 遠回りされてしまう可能性がある。その為、宿近くのランドマークとして、この夜市を予め 教わっていたのである。
 折角夜市まで来たので、自強夜市も楽しむ事にする。と言っても、既にお腹は一杯で食 べられないのだが(笑)
 ガイドブックにも掲載されていない夜市なので、大きくはないが、観光地化されていな く、生活感がある雰囲気が良い。食事は既に済ませたので、夜市でゲーム等を楽しんだ後 に宿に戻る。

電池を現地調達した店 花蓮中心部の屋台
自強夜市(その1) 自強夜市(その2)

●情報収集
 宿に戻ると、1階のロビー(というかリビング)に宿の主人と、今日泊まっている日本 人の人が話している。どうやら明日の予定について相談しているらしい。我々もロビーに 腰を下ろすと、明日の予定を聞かれる。
 我々は、明日、列車で光復という所に行き、ガイドブックに書いてあった少数民族の村を 訪ねる予定だったので、そのように答えると、ショックな答えが。

「光復には、少数民族の村はもう無く、台湾人は光復へアイスクリームを食べに行く」

 とのこと。話によると光復には「台糖」の元工場があるとのこと。現在は砂糖の生産は 行っておらず、工場は観光向けに開放されていてアイスクリーム等を販売しているとか。 しかも美味しいと評判らしい。
 衝撃の事実を知ったが、行く前に知ることができたのが幸いである。今回のメンバーと 相談して光復には立ち寄らないで台東に直接行くことに決定。明日は花蓮発9:50の自 強號で出発することにした。

●台湾の漢字教育
 明日の行程の話が終わると宿の人から他にも台湾の小学校で漢字を習う方法について教 わったりして有意義な時間を過ごす。台湾には独自の注音符号(「ボポモフォ」と言う) があり、小学校5年生までの教科書には漢字に必ずボポモフォが付いているとか。
 大陸ではアルファベットを用いた漢語ピンインを使用しているので中国語の英語表記が 統一されているが、台湾では文字の発音にアルファベットを用いない為、英語表示が統一 されていない。この話を聞き、台湾の英語表記が統一されていない理由が判った。
 このようにして会話が話が盛り上がり、気がついたら日が変わる時間。お休みの挨拶を して部屋に戻る。宿の主人、宿泊者共に日本人であるため、ここが台湾という事実を忘れ てしまいそうだった。部屋で今日の清算や予定の確認を済ませてから就寝。


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