●タクシーで知本車站へ
朝、8時過ぎにチェックアウトする。と言っても鍵をテレビの上に置いて去るだけであ
るが。知本温泉からは台東行きのバスがあるが、このバスは台東の中心部に行くバスであ
って台東車站に行く為にはバスかタクシーを乗り継いで行かなければならない。だったら
最初からタクシーで知本車站に行った方が良い。が、しかしタクシーが全然来ない。
まだ朝の8時過ぎ。殆どの店は開いていない状態で、温泉街自体も眠ったままである。
このままでは予定している列車に乗る事ができない。さらに既に書いている通り、台東〜
枋遼間の列車本数は非常に少なく、一本逃すだけで大きな問題である。
暫くするとタクシーが来るので捕まえて知本車站へ。実はこのタクシー、他の客が呼び
寄せたものを我々が捕まえてしまったらしく、駅で我々が降りると知本温泉方面へすっ飛
んで行った。
朝の温泉街 | 温泉と言えば温泉卵! |
●無事に間に合う
知本9:18→枋寮10:50 呂光號 90車次 153元
一時はタクシーが全く来なくて、予定通りの列車に間に合わない可能性もあったが、無
事に予定時刻通りに知本車站に到着。窓口で乗車券を購入。今回の旅初めての呂光號(日
本で言う「急行列車」)である。今回は発車まで時間が無く、一々紙に書いては時間が掛
かって仕方ないので私が乗車券を購入。一部聞き取れない言葉があったりするが無事に購
入。
列車は若干遅れての到着。車両設備は自強號と遜色無く非常に快適な車内である。乗り
心地も良い。知本からは再び海岸線沿いを走るので眺めが良い筈なのだが、天気が悪くっ
ていて車窓はイマイチ。しまいには雨が降ってくる。うーん、ついてない。
呂光號の入線シーン | 良い眺めだが天気がイマイチ |
●天気の境界線
大武車站を過ぎると海岸線に別れを告げ山脈を一気に越え、東海岸側から西海岸側へ入
る。今日の高雄の天気は晴れになっている為、この雨が止めばと願いつつ山脈越えの長い
トンネルに入る。するとトンネルを抜けると、いきなり快晴!まさに
「国境を越えると....」
を地で行く出来事であった。列車は山を下って、やがて平地まで下っていく。車窓の
眺めが劇的に変わる。西海岸側に来た事を実感!平地まで降り切った所で枋寮に到着。
トンネルを抜けると →→→ | →→→ 天気が一変!! |
枋寮到着 | 貨物列車(その1) |
貨物列車(その2) | 枋寮車站 |
●普通列車の旅、第3弾!
枋寮からは再び普通列車の旅を行う。台湾の普通列車は空前の灯火であるが、この枋寮
から高雄の区間は普通列車の最後の楽園である。最初の計画では、この区間のみ普通列車
に乗る予定であった。しかし、万一、情勢が変わってこの区間で乗れない事を考えて、こ
こまでたどり着く前にも乗れるチャンスがあるなら乗っておこう!と方針転換して既に2
回乗車している。
悪い予感は的中するらしく、時刻表を見ると情勢が変化している事が判明!普通列車の
半分程度が復興號(日本で言う快速、準急)に格上げされていた。幸いにして我々がこれ
から乗車する列車を時刻表で確認すると普通列車のままであった。次の列車まで時間があ
るので、とりあえず駅を出て街を歩く。駅を出た瞬間にタクシーの運ちゃんが
「何処行くんだ?」
と聞いてくる。大分慣れてきたので何も無かったようにスルー。
枋寮はガイドブックに掲載されていない地域なので街を歩くと言っても特に当ては無い。
次の列車でお昼になってしまうので、適当に見つけた食堂で弁当を購入。この店は中で食
べるかお持ち帰りが選択できる店で、お持ち帰りの場合はご飯が載った弁当箱を受け取り、
自分でおかずをチョイスしてレジで会計という方式の店である。昼時なので結構混雑して
いる。弁当はメインのおかず1品と小菜3品で50元である。日本円で200円弱。かなり安
い。
枋寮の街並み | 路線バス |
食料の調達が終わった所で枋寮車站に戻り列車に乗車する。普通列車用の乗車券を購入
してから改札口に行くと「この切符では乗れない」と言われてしまう。時刻表を見ると次
の列車種別は確かに「普通」なので乗車可能である。窓口に行き次の列車の種別を確認す
ると「普通」である事が判明。この切符で乗れるじゃん!
窓口の駅員にお墨付きを貰ったので、そのまま改札口に入り高雄行きの普通に乗車する。
今度の普通は旧型客車ではなく、去年の夏に乗車した復興號の格下げ車である。既に旧型
客車に乗車していて目的は果たしているが、旧型客車の乗車チャンスが一番多い区間で乗
れないのは旧型客車がいよいよ引退するカウントダウンが始まっている証拠。かなり複雑
な気分。
冷房付きの車内 | 購入した弁当 |
●途中下車の旅 in 南台湾
枋寮11:31→坎頂12:03(「坎」の上に山が付く)普通號 306車次 23元
発車直前にホームに到着した為、列車に乗車すると直ぐに発車する。早速弁当を開け食
べ始める。適当に入った店で購入した弁当であるが旨い!
列車は椰子の木の林などを走り抜ける。南国情緒満点である!さらに南台湾でよく見か
ける養殖場も見かけるようになる。今回の旅も半分まで来た事を実感させられる。我々は
南州車站の次の駅である坎頂車站で途中下車。駅前には椰子の木の林がある。長閑でのん
びりとした雰囲気はかなり良い。
ここから3キロ手前の南州車站まで歩くことにする。このような何も無い無人駅で途中
下車して、町を歩くのは個人旅行ならでは。観光地化されていない南国の田舎町を歩く。
椰子の木のトンネルを抜ける | 養殖場が見える |
行李車(荷物車)が連結されている | 列車を見送る |
坎頂車站 | ご覧の通りの無人駅 |
坎頂付近の町並み | 暫く歩くと田園風景が広がる |
田園風景を走る復興號 | 南州車站を出発する復興號 |
●台糖の工場
南州車站到着直前に台糖の工場を発見。そういえば、花蓮で泊まった宿の主人が「光復
にある台糖の工場ではアイスクリームが評判」と言っていたのを思い出す。同じ台糖の工
場なので、ここにもアイスクリームがあるかも。入口に和訳すると「台糖南州観光製糖工
場」と書いてあるゲートもあるので工場内に入ることにする。
「観光工場」だけあって親切に案内図もある。早速案内図でアイスを売っていそうな場
所を探し、そこに向かう。売場は閑散としているというか、誰も居ない。もしかして休み
か?と思いながら入口まで近づくと、普通に営業している事が判明。中に入ると予想通り
アイスを売っていたので早速購入。カップアイスをチョイスしてレジに持っていくと
「小豆を加えるか?」
と聞かれるので追加料金を払って加えて貰う。
店の中に座って食べられる場所があったので、小姐に中で食べて良い事を確認してから
食べる。カップアイスだがなかなかの味!
台糖の観光工場 | 小豆がたっぷり載ったアイス |
●高雄へ
南洲14:33→高雄15:45 復興號 178車次 65元
アイスを食べ終わった後は工場内を歩いてから南洲車站に向かう。列車の発車時刻ぎり
ぎりに南洲車站に到着。時間が無いので窓口で車票を纏めて購入。次の列車は「復興號」
であるが、出てきた切符の種別は「通勤電車」
確かに「復興號」と「通勤電車」は同じ料金であるが、なんて適当な。ていうか、この
南州車站は非電化区間なので電車なんて来る訳が無い(笑)
列車に乗車すると車内が空いているので各自好きな席に着席。それぞれのスタイルで汽車
旅を楽しむ。屏東で花蓮から続いた単線非電化区間が終了し複線電化区間となる。ここか
ら先、この旅の終着地点の台北まで複線電化区間である。
屏東からは通勤電車が走っている区間でもあり乗客も徐々に増えていく。高雄にはほぼ
定刻通りの到着。今回の行程の半分を消化したことになる。
南州車站 | 南州車站に入線する復興號 |
途中、呂光號(中央)を先に通す | 高雄到着 |
●半年前から微妙に変化
半年前に初めて高雄車站に訪れた時は高雄捷運(地下鉄)の工事真っ最中であった。こ
れに関しては今回も状況は全く同じ。目抜き通りの真ん中で半年前と同様、派手に工事が
行われている。しかし、若干変わった所がある。半年前は工事中で近づくことが出来なか
った高雄車站の旧駅舎付近だが、今は工事が終了して中に入れるようになっている。と言
う訳で早速中へ入ってみる。
中は高雄の観光案内所と資料館を兼ねた施設になっている。館内の係員が早速話しかけ
てくる。
「何処から来たんだ?」
「この建物の歴史は知っているか?」
「高雄に来るのは何回目だ?」
と色々質問される。この建物は日本統治時代に建てられたもので既に60年程度経過してい
る。係員曰く現在の高雄市歴史博物館も同じ時期に建てられたものという。確かに建物の
雰囲気は似ている。
館内にある資料を色々見ながら高雄の街を学習。ちなみに、この駅舎、現役を終えた後、
建物ごと場所を移動している。その工事の模様なども資料として写真で紹介されている。
レールを何本も引いて建物を移動させる非常に大掛かりな作業であった事を伺わせる。
我々が見学中も係りの人は色々と話しかけてくる。高雄で行く予定の場所や明日の予定
やらを聞かれる。そして、今着たばかりで明日、他の場所に行くと答えると「もっと高雄
を見てってよ」と言われたりする。そして、私が気になった場所を聞くと親切に何番のバ
スに乗れば行けるのか快く答えてくれる。高雄の人は人懐っこく親切である。
見学後、何故かデジカメで記念撮影をされたりする。最後に、挨拶をして清清しい気分
で建物を後にする。
高雄旧駅舎 |
●宿探し、そして散策
高雄は既に一回訪れているので、宿がどこら辺にあるのかも把握している。今日はガイ
ドブックに掲載されている宿に行き、部屋を見せてもらってからチェックイン。サービス
で水と茶菓子を受け取る。台湾の宿でサービスで水を貰う事は良くあるが茶菓子を貰うの
は初めて。妙に日本の旅館っぽい。
落ち着いてから街を歩くことにする。と言っても既に夕方なので観光はできない。近く
に電気街があるので行くことにする。前回はスコールのような雨に降られて一通り見られ
なかったので、今回はきちんと見る。この時点でデジカメのメモリカード残量が少なくな
ってきたので現地調達を本気で考え何件か店を回って値段を聞いたりする。しかし、秋葉
原の方が安いのとメモリ残量が緊急事態にはなっていないので購入を断念。ムービーとか
撮らなければ、なんとかなるだろう。
電気街散策後、一旦高雄車站に行き明日の切符を購入する。明日は復興號でのんびり行
く予定だったが、あいにくの満席。仕方ないので同じ時間に出る自強號を見てもらうと無
事に空席あり。明日の切符を無事に確保。
切符の確保後、駅構内で買い物をしたりする。そして駅を出る頃には既に8時過ぎ。か
なり腹が減ったので夕食を採りに急いで六合夜市に行く。こちらも前回訪れているので道
に迷う心配は無い。
今日は前回高雄を訪れた時にヒットだった但仔麺を食する。やっぱり旨い!食後、宿で
食べようと水餃子を買って、お気に入りの「木瓜牛[女及]」(パパイヤミルク)を飲みな
がら宿に戻る。そして、例のごとく、コンビニでビールとつまみを購入して宿で飲んでか
ら就寝するのであった。
高雄車站(新駅舎) | 六合夜市(その1) |
六合夜市(その2) | 但仔麺 |
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