2008年8月12日(火)
●移動開始!
今日も早起きし、6時過ぎに朝食を取る。元々の予定では、今日はハンブルクからベル
リンへの移動日であったが、その前に、どうしても行きたい街がある。まず、そこを回り、
その後ベルリンへ向かう事にした。
レストラン | 朝食 |
で、行きたい街は?というと、ずばり「リューベック(Lübeck)」!都市同盟「ハンザ同
盟」で栄えたリューベックの旧市街地が世界遺産となっており、今回、是非回っておきた
い。ハンブルク中央駅から快速列車(RE)に乗って約50分と、ハンブルクから比較的近
い場所にある。
今日は雨模様 |
●乗り遅れ!?
7時過ぎにアルトナ駅を出発する。まずは、ハンブルク中央駅へ向かい、そこからリュ
ーベック方面行きの列車に乗り換える。今回持参した時刻表「Thomas Cook EUROPEAN RAI
L TIMETABLE SUUMER 2008」によると、次の列車は7時25分発のEC(Euro City, 国際特急)、
コペンハーゲン(København)行きである。
アルトナ駅 地下ホーム | S-Bahnに乗りました |
ハンブルク中央駅に到着したのが7時20分過ぎ。間に合うかどうか微妙な時間だ。急い
でホームへ向かうが、乗車する列車を確認している最終に列車は行ってしまう。
時刻表によると、次の列車は8時05分発、快速列車(RE)のNeustadt行き。40分待た
なければならない。が、駅の案内板を見ると、次の列車は7時35分発のリューベック中央
駅行きがある事が判明!これなら、時間的ロスも最小限に抑える事ができる!
行ってしまった... |
暫くすると列車が入線する。これに乗り込みリューベックへ出発!
落ち着いた所で、時刻表を再度めくってみる。先程、見事に乗り遅れたコペンハーゲン行
きのECを確認すると「u」という印が付いている。これが気になっていたので確認する。
すると、欄外に以下の事が書かれている。
「Stops to pick up only.」
なんと、先程のECはリューベック中央駅で降りる事ができなかったのである!この列車、
ハンブルク中央駅を出て最初に降りる事ができる駅はリューベック中央駅から約50km先の
Oldenburg駅!
乗り遅れたのは不幸中の幸いであった!文章は最後まで読まないといけませんね(;^_^A
列車はハンブルク郊外の田園地帯を走り、終着駅、リューベック中央駅(Lübeck Hbf)に
到着する。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Hamburg Hbf 07:35 → Lübeck Hbf 08:23 | RE21556 | Lübeck Hbf |
リューベック中央駅 | 到着後、折り返しハンブルク中央駅行となる |
●ハンザ同盟都市「リューベック」
リューベック中央駅のホームは最近建て替えたのか、新しく開放的。と言っても欧州ら
しいドーム状の大きな屋根は、そのままの形を受け継いでいる。また、ホームやコンコー
スは新しくなっているものの、駅舎は重厚長大で、どっしりと構えている。駅を改築すると、
昔の面影を殆ど無くしてしまう日本の駅とは何とも対照的。
さて、出口へ向かいましょう | リューベック中央駅 駅舎 |
駅を出て、早速行動開始!リューベック駅から旧市街までは歩いて10分程度。暫く歩く
とトンガリ屋根のHolstentor(ホルステン門)が見えてくる。ここが、旧市街の入口であ
る!早速旧市街へ!と行きたい所だが、ホルステン門自体がとても美しく、暫く撮影して
から行く事に。
ホルステン門 |
門を潜り、川を渡ると旧市街地に入る。まずはMarienkirche(マリエン教会)を目指す。
旧市街は大きくないので歩いて回る事ができるが、意外と坂が多く、荷物が多いと結構疲
れるかもしれない。マリエン教会に到着するものの、入口は固く閉ざされている。開場時
間は10時からなのに対し、現在時刻は9時20分。暫くの間、マリエン教会の周囲を歩く。
門を潜りました | 橋を渡る |
この橋も戦車通行可!? | 旧市街 路地にて |
リューベック旧市街(その1) | リューベック旧市街(その2) |
リューベック旧市街(その3) | リューベック旧市街(その4) |
そして、10時前に再びマリエン教会の入口へ向かう。
10時に扉が開き、中を見学させて頂く。高い屋根、大きなパイプオルガン。訪れる者を圧
倒させる礼拝堂に感激。その美しい教会も第2次世界大戦中に空襲に遭い、大きな被害を受
けている。中に、空襲を受けて炎上する教会の写真や、その際に屋根から落ちた鐘が生々
しく展示されている。展示を見ていると、つい戦争について考えてしまう。
マリエン教会 入口 | マリエン教会 礼拝堂 |
マリエン教会内にて | 壊れた鐘 |
その後、Jakobikirche(ヤコビ教会)を訪れつつ街を回ってリューベック中央駅へと戻
る。ゆっくりと回りたい気持ちで一杯だが、今日はBerlin(ベルリン)へ移動しなければ
ならない。再訪を誓い、旧市街を後にする。
ヤコビ教会入口 |
ヤコビ教会 礼拝堂 | 工事が行なわれていた |
旧市街を走るバス | 中央駅に戻ってきました |
●一気にベルリンへ!
リューベック中央駅に戻り、列車の時刻を確認する。次に来る列車は、なんとベルリン
行きのICE!今日は一旦、ハンブルク アルトナ駅まで戻ってからベルリン行きに乗ろう
と考えていたが、これは好都合!
しかし、リューベックに入線する列車はどう見てもICEでは無い。ていうか、DB(ドイ
ツ鉄道)の車両じゃない!
入線した列車はデンマーク国鉄のIC3型ディーゼルカー。黒く太い連結幌が特徴の列車で
す。ドイツに居ながら他の国の列車に乗れると、何だか得した気分になってしまう(笑)
ホームへ向かいましょう | デンマーク国鉄IC3型が来ました! |
到着後、早速乗り込み、空席を探すが全然無い事が判明(涙)空席があっても、座席の
上に予約されている旨の表示がされている。これでは座る事ができない。
仕方なくデッキで立つ事になる。
デッキには電光掲示板があり、行先はハンブルク中央駅となっている。
この列車、時刻表上はベルリン行きだし、そもそも、この列車はICE(Inter City Express, 高速鉄道)
では無く、EC(Euro City, 国際特急)である。一瞬、乗る列車を間違えたのか?と不安になっ
たりする。と言っても、ジャーマンレールパスで乗車可能な列車の為、不正乗車でペナルティ
を受ける事は無い。O氏と会話をしながら時間を潰す。
デッキで暫く立つ(涙) |
暫くデッキで立っていたが、再度、客室に入った際、折り畳みの補助席が空いている事
に気が付く。当然、補助席には予約が入っていない為、空いていれば無条件に座る事ができ
る。しかし、気が付いたのが遅かった為、列車はすぐにハンブルク中央駅に到着する。
デッキ内の案内板 | デンマーク国鉄路線図&座席配置図 |
車内放送によると、この列車は、電光掲示板の通り、ハンブルク中央駅行きで、同じホーム
上でベルリン行きに乗り換える事になるとのこと。同じホーム上で乗換えできるなら、
ほぼ直通と判断して良いでしょう。ちなみに、日本の九州新幹線も新八代駅で乗換えが発生
するにも関わらず、博多発 鹿児島中央行き(または、その逆)と表示する例があります。
(2008年11月現在)
車内の様子(終点到着後撮影) | ハンブルク中央駅到着 |
さて、ハンブルク中央駅で下車した後、ベルリン方面で向かう乗客はホームで待機。我
々が乗車した列車はすぐに回送列車となり、ホームを去る。そして、すぐにICEの車両が
入線してくる。既に乗客が乗っており、乗客の下車が完了した後、ホーム待機していた乗
客が乗り込んでいく。我々も乗ろうとすると、突然、ICEの先端部分の連結器カバーが開
く。これは、もしかして増結!?
期待通り、反対方向からICEが入線してくる。そして、連結作業開始。と言ってもICEの
先頭車には自動連結器が装備されているので、連結作業に人の手を介す事はない。スムー
ズに連結作業が行なわれる。
そして、我々は後に入線した列車に乗り込む。こちらも既に乗客が乗り込んでいたが、
座席を確保する事ができた。しかも一番後ろの席。ちょっとした展望気分を味わう事がで
きる。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Lübeck Hbf 11:38 → Berlin Ostbahnhof 14:47 | ICE38 | Berlin Ostbahnhof |
ICEが入線しました | 連結器カバーが開く! |
反対側からも列車が入線 | 連結!! |
●ディーゼルカーの高速鉄道
さて、我々が乗車した列車は列記としたICEであるが、このICEは、「ICE-TD」と呼ばれる
タイプで、なんとディーゼルカーである。最高速度は200km。実際、車内にある電光掲示板で
時速199km/hを確認。これは速い!!
また、乗車した便(ICE38列車)の到着駅案内の冊子が置かれているが、この列車、な
んとデンマークのÅrhus(オーフス)からやってきている。Århus駅を朝8時過ぎに出発。
ハンブルク中央駅に向け、既に4時間以上走っている。これから、さらにBerlin Ostbahnhof
(ベルリン東駅)まで2時間以上の旅が続く。
この列車はデンマーク国鉄との共同運行の為、 側面にはDBロゴの他、デンマーク国鉄のロゴ「DSB」がある |
列車は田園風景を走る。ベルリンが近くなると、車窓は徐々に建物が増えてくる。列車
もいつの間にか高架線を走っている。高速新線の高架線と違い、こちらは右に左に大きく
カーブが続く。建物や景色が全く違うが、何となく東京駅付近の高架橋を走行している様
な感覚がする。
列車は真新しいベルリン中央駅を通った後、さらに高架線を進み、ほぼ定刻通り終着駅、
ベルリン東駅に到着する。
高架線を進む | ベルリン東駅に到着 |
ICE-TD | ベルリン東駅ホーム |
●宿へ
今日から2泊する予定のホテルはベルリン東駅より徒歩10分程度の場所にある。川を渡
り交差点を右折して暫く歩くと宿に到着する。
川を渡る |
そしてにしても、なんともシンプルな形の建物である。早速、中に入りCheck Inを行なう。
既に15時を過ぎている事もあり、そのままCard Keyを受け取り、
部屋へ向かう。
部屋は狭いものの、一通りの設備がコンパクトに纏まっている。基本的に寝るだけなので、
シャワーとベッドがあり、安全性が保たれていれば問題ない。この宿は各階の入口、及び
客室への廊下の入口に扉があり、Card keyが無いと通る事ができない。部外者が無用に立
ち入る事が出来ない様に配慮されている。
本日の宿 | 部屋の様子 |
●市内観光
仕度が済み次第、出発!
まずはベルリン東駅へ向かう。ベルリン東駅からS-Bahn(近郊電車)に乗り、ベルリン中
央駅へ向かう。ベルリン中央駅の案内所にて、「Berlin Welcome Card 2008」を購入。こ
れはベルリン市内、及びポツダム市内のS-Bahn、U-Bahn(地下鉄)、トラム、バスが48時
間乗り放題のフリー切符である。路線図や博物館等の施設の割引クーポンが入った冊子付
きで運賃€18也。
尚、この乗車券を使用開始する際、必ず 刻印機(Ticket Canceller)を通さなければ
なりません。刻印機を通さないで乗車した場合、不正乗車とみなされます。ご注意くださ
い。「Berlin Welcome Card 2008」は刻印機を通し、記載された時刻から48時間有効にな
ります。
さて、乗車券購入が済むと、時刻は既に午後4時半。この時間だと1箇所回るのが限度。
O氏と相談の上、今日は「CheckPoint Charlie」を見学する事に決定。早速、購入したばかりの
「Berlin Welcome Card 2008」を刻印機に通し、S-Bahn, U-Bahnを乗り継ぎ、CheckPoint Charlie
がある最寄り駅、Kochstraße駅へ向かう。
Berlin Welcome Card 2008 | Kochstraße駅 |
●CheckPoint Charlie
CheckPoint Charlieは東西冷戦時、ベルリンが東西に分断されていた時代に設置された
国境検問所である。検問所にあった検問所の建物は一旦撤去されているが、現在は復元さ
れている。
ベルリンの観光名所のひとつで、多くの観光客で賑わっている。また、検問所の前にはア
メリカ兵、ソ連兵の格好をした人が立っており、観光客からお金を取って記念撮影をして
いた。結構、撮影している観光客も多く、繁盛しているようだ。
本日の観光は、このCheckPoint Charlieと、CheckPoint Charlieのすぐ側にある
「壁博物館」(Mauermuseum)という博物館である。CheckPoint Charlieを見学した後、早速、
博物館へ入る。博物館は手荷物の持込が禁止されているので、地下にあるコインロッカー
に預ける必要がある。荷物を預けた後、入場券を購入し、中に入る。
入場料は大人€12.50であるが、「Berlin Welcome Card 2008」を提示すると25%割引される。
中は所狭しと当時の写真や資料が並べられている。資料もとても多く、じっくり見ると、
かなりの時間を要する。ここまで写真や資料を集めた博物館の関係者に、ただただ脱帽。
CheckPoint 米国側より撮影 | CheckPoint ソ連側より撮影 |
検問所 外部 | 検問所 内部 |
●夕食
CheckPoint Charlie、壁博物館を回ると既に夕方。夕食の時間となる。ガイドブックに
掲載されている店をChoiceする事に。再び、U-Bahnに乗り、Oranienburger Tor駅で下車。
駅から徒歩5分程度の場所にあるレストラン「Tucholsky」で夕食を取る。緑に囲まれた中庭
があり、落ち着いた雰囲気で食事が楽しめる。もちろん、建物の中だけではなく、中庭でも
食事が可能。
Kochstraße駅よりU-Bahnに乗車 | U-Bahn |
レストラン入口 | 窓際に通されました |
まずは、乾杯! | 夕食。うん、旨い! |
食後はそのまま宿に戻る。観光に出る時はベルリン東駅から乗車したが、地図によると
宿の位置はU-BahnのHeinrich-Heine-Straße駅の方が近いらしい。なので帰りはU-Bahnで
戻る。Heinrich-Heine-Straße駅から10分弱で宿に到着。
今日は移動が多く疲れ気味。荷物の整理をして早めに就寝するとしよう。
U-Bahnで宿に戻る | 車内の様子 |
U-Bahn | Heinrich-Heine-Straße駅到着 |