2008年8月11日(月)
●早起き
今日はドイツ東部地方にあるBad Doberan(バードドーベラン)を目指す。ここは、ハ
ンブルクから結構遠く、快速列車(RE, Regional Express)で3時間要する。ここを訪
れると、丸一日要してしまう為、訪れるべきか迷った。しかし、今回のドイツ旅行は東部
地方をメインとしている為、今回、このBad Doberanを訪れる事にした。
地方都市を訪れる為、必然的に早起きとなる。6時過ぎに朝食へと向かう。ユーロ高と
いう事もあり、今回宿泊する宿は全て朝食付きのプランにしている。それなりに朝食を取
ると€5は必要。1€=170円計算だと850円。意外と馬鹿にならない。
朝食 | 窓から列車が見える |
そして、7時半頃に宿を出発!
まずはアルトナ駅から中央駅へ向かうべくS-Bahn乗る。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 |
Hamburg-Altona → Hamburg Hbf | S-Bahn(S3系統) |
Hamburg Hbf(ハンブルク中央駅)には8時頃到着する。
カートレインが到着していた | ハンブルク中央駅に到着 |
●重厚長大な駅舎
ここからBad Doberan(バードドーベラン)へ向かう訳だが、前述の通り、Bad Doberan
へは快速列車で3時間を要する。また、Bad Doberanへの直通列車が無い為、まずは旧東
独エリアに位置するRostock Hbf(ロストック中央駅)へ向かい、そこから支線に乗り換
える事になる。
そして、Rostockへ向かう列車は8:30、発車まで30分程あるので、駅構内や駅舎を見て回
る。時計塔もある重厚長大な駅舎、大きな屋根で覆われた開放的なホームは見ていて清々
しい。
ハンブルク中央駅 構内 | ハンブルク中央駅 駅舎 |
発車時間が近づいたので、ホームで列車を待つ。Hamburg Hbf始発の列車なので、折り
返し時間を考慮して、早めに着るだろうと思っていたが全然列車は来ない。結局、発車時
刻間際に入線する。乗客が全て降りた後に、我々が乗車。来た列車は全車2階建て車両。
車窓の景色が良さそうな2階席に座席を確保する。
さて、駅へ入りましょう | ホームで列車を待つ |
暫くすると発車。ドイツは普通列車でも多くの客車列車が走っているが、客車側にも運
転台が接続されている為、終着駅で機関車の付け替えを行なわない。その為、今回乗車し
た列車は機関車による牽引で入線してきたが、機関車を付け替えず、機関車の推進運転で
Rostockを目指す。日本で推進運転は殆ど行なわれないので、興味深い運用方法である。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Hamburg Hbf 08:30 → Rostock Hbf 10:52 | RE33007 | Rostock Hbf |
列車はひたすらヨーロッパらしい田園地帯を走行する。途中、丘のある黄金色の牧草地帯 を通ったり、青々とした畑を通ったり、車窓を見ていて飽きない。そして列車は時刻どお りRostock Hbfに到着する。
田園風景を行く(その1) | 田園風景を行く(その2) |
●代行バス
ロストック(Rostock)は旧東独最大の港湾都市であった。その中央駅は乗り換えを考
慮されて設計されている。DB(ドイツ鉄道)が地平にホームがあり、DBの線路を横切
る形で地下にトラム(LRT)の駅がある。DBからトラムへは階段を下りるだけ、逆の
場合は上るだけと乗り換えと、地方間輸送と都市内輸送の連絡が良くできている。
Rostock HbfでBad Doberan方面の列車に乗り換えるのだが、事前に調査した時刻表では、
列車はバスによる代行運転になっている。駅構内には代行運転の張り紙も掲示されており、
そこに代行バスへの時刻表が記載されている。ただし、全ての便が代行バスではないらし
く、一部の便は列車で運転されている。我々が乗る便を確認すると、事前情報通り代行バ
スであった。
Rostock Hbfは駅の正面と裏側に2箇所の出口がある。駅の案内版によるとバス乗り場
は正面出口付近にあるらしい、しかし、バス乗り場を確認すると代行バスは見当たらない。
あまり乗り換え時間も無いので、駅に戻り案内所にて確認する。すると、代行バスの乗り
場は駅の裏側から出ているとのこと。時間もないので、急いで向かう。
駅の裏側に行くと、「SEV」の文字が。前回ドイツ旅行時、ローテンブルクへ行く際
に乗った代行バスにも、この文字列があった。これだ!
ロストック中央駅 駅舎(正面入口) | 代行バス乗り場 |
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Rostock Hbf 11:06 → Bad Doberan 11:36 | 代行バス | Wismar |
暫くするとバスが到着。運転士にBad Doberanへ行く事を確認して乗車。乗客が乗り込 むとすぐに発車。Bad Doberanへと向かう。車内はほぼ満席。11時過ぎにBad Doberan駅に 到着する。ハンブルク中央駅からの所要時間2時間40分弱。アルトナ駅からだと乗り換え 時間含めずに約3時間と言ったところか。
●モリーさん!
Bad Doberan駅に着くと、目の前にモリー鉄道の蒸気機関車が停まってる。早速、乗車
券を買おうと切符売り場を探す。すると、列車の車掌より、乗るか?乗らないの?と確認
される。
乗りたいけど、乗車券を持っていない。どうすれば良いかを尋ねると。車内で発行してく
れるとのこと。これはありがたい!早速、我々も乗る事にする。列車はすぐに発車する。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Bad Doberan 11:36 → Kühlungsborn West 12:21 | MOLLI BÄDERBAHN | Kühlungsborn West |
Bad Doberan駅到着 | モリー鉄道 Bad Doberan駅 |
●モリー鉄道
モリー鉄道は軌道幅900mm(*)のナローゲージで、Bad Doberan~Kühlungsborn West間 15.4km
を約45分で結んでいる。早朝、夜便を除き蒸気機関車で運行され、昼間はサロンカー
を連結していて車内で軽食を取ることが可能。観光鉄道としての趣が強い鉄道である。
ナローゲージの為、車両サイズ、長さは小さめだが、それを補うかの様な編成。我々が
乗車した便は、なんと10両以上連結している!長い!
(*)参考 JR在来線:1,067mm, JR新幹線:1,435mm, 京王線(井の頭線を除く)1,372mm
サロンカー | 乗車券 |
●併用軌道を行く
Bad Doberan駅を出ると、すぐに併用軌道に入る。狭い道を客車を10両以上連結した蒸
気機関車が走ります。また、各車両の車端部はオープンデッキになっており、風を直に感
じる事ができ、とても心地よい。
車内に戻り、車掌より乗車券を購入する。運賃は3つのZoneに分かれており、全線乗車す
る場合は3ゾーン運賃が適用される。運賃は片道€5.7、往復€10.4で、我々は往復する為、
往復券を購入する。モリー鉄道の車掌はJRの車掌が持っているのと同じ様な端末を操作
してレシート状の乗車券を出力する。
併用軌道を行く | 車内の様子 |
デッキに立つ子供達 | 車両間の様子 |
●田園風景を行く
乗車券を購入した後は座席に座ったり、デッキに出たりして景色を楽しむ。Bad Doberan
市街を抜けると、景色は一気に変わる。列車は田園地帯や森林の中をのんびりと走る。
森林を行く |
そして列車は20分程でHeiligendamm駅に到着。この駅で列車の行き違いが行なわれる。
暫く待つとBad Doberan駅行きの列車が入線。対向列車の編成も長い!
さらに列車は進み、やがて田園地帯を抜けてKühlungsborn市街に入り、終点Kühlungsborn West駅
に到着。列車は折り返し作業の為、機関車の付け替え作業を行なう。乗客はモリー鉄道
自体を目的にしている方も多く、多くの人が機回し作業中の機関車をカメラに収めている。
機関車の付け替え作業が終了次第、Bad Doberan駅へ向けて出発。我々は次の便に乗る
事にして列車を見送る。
Heiligendamm駅に到着 | Bad Doberan行き列車入線 |
さらに進む | Kühlungsborn West駅に到着 |
駅名板 | Kühlungsborn West駅 駅舎 |
機関車付け替え作業中 | まもなく発車 |
●昼食
モリー鉄道は1時間おきに運転されている為、次の便は当然1時間後。それまでの間、
Kühlungsborn West駅に滞在する。Kühlungsborn West駅はモリー鉄道の資料館(入場無料)
が併設されており、よりモリー鉄道に接する事ができる。中は往年使用されていた分岐
装置、保安装置等が展示されている。
資料館内部 |
資料館を一通り見学した後は昼食とする。駅はレストランも併設されていて、トロッコ
を改造した座席に座って食事を楽しむ事ができる。駅構内にあり、食事を楽しみながら駅
構内を見渡す事ができる。とりあえず座席に座ってビールと料理を注文して乾杯!
Kühlungsborn West駅構内を眺めながらの食事は格別!
乾杯! |
トロッコ車両を改造した座席 | 本日の昼食 |
●Bad Doberan市街へ
食事を終えると、次の便の発車時刻。すでに列車は入線している為、客車に乗り込む。
Bad Doberanへ戻る。帰りもデッキで風を感じながら景色を楽しむ。モリー鉄道は乗って
いて本当に楽しい。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Kühlungsborn West 13:35 → Bad Doberan Stadtmitte 14:18 |
MOLLI BÄDERBAHN | Bad Doberan Bahnhof |
帰りはBad Doberan駅まで行かず、Bad Doberan市街地内にあるBad Doberan Stadtmitte駅 で途中下車する。駅と言っても、バス停の様なポールが1つ建っているだけの簡易な駅で ある。駅舎どころか、ホームも存在しない。最も狭い併用軌道の道路にホームを設置する スペースは存在しない。
Kühlungsborn市街を後にする | 平原の中にある駅 |
森林を行く | Bad Doberan市街に入りました |
列車を見送った後、併用軌道沿いを歩く。狭い路地は商店街になっており、モリー鉄道
の併用軌道の両側には商店やレストランが並んでいる。この道路上を10両以上の客車を繋
いだ蒸気機関車が通るのだから凄い。
レストランに入ってビールを飲んだりして時間を潰し、次の便に乗ってBad Doberan駅ま
で戻る。
バス停の様な駅名板 | 併用軌道(その1) |
併用軌道(その2) | ビールで乾杯! |
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Bad Doberan Stadtmitte 15:14 → Bad Doberan Bahnhof 15:18 |
MOLLI BÄDERBAHN | Bad Doberan Bahnhof |
Bad Doberan駅 到着 | Bad Doberan駅 駅名板 |
●帰りは列車で
モリー鉄道を十分に堪能した後は、Hamburgへ戻る。行きは、Rostock駅から代行バスで
Bad Doberan駅まで来たが、帰りは列車があるらしい。
なので、DB(ドイツ鉄道)の乗り場へと向かう。モリー鉄道とDBは同一ホーム上で乗
換えが可能になっている。1面2線のホームになっていて、モリー鉄道とDBが1線づつ
使用している。
暫くホームで待つと列車が到着。DBのホームは1線しかないが、双方の方向から列車
が到着。どちらの列車に乗るか一瞬迷ったが、DBの車掌さんが、Rostock方面はこちら
だ!と案内して頂いた為、迷わずに乗る事ができた。そして出発。我々が乗車した列車は
ホーム上にある側線に入り、逆方向の列車と交換する。この路線は1面のホームで列車の
行き違いが行なえる様、工夫されている。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Bad Doberan 15:30 → Rostock Hbf 15:51 | RE33179 | Tessin |
所要時間約20分でRostock Hbfに到着。RostockでHamburg方面行きの列車に乗り換える。 乗換え時間は約30分。時間があるので、ゆっくりと乗り換える。
列車入線 | ロストック中央駅到着 |
●InterCity
今日の朝、Hamburg HbfからRostock Hbfへ向かう際はRE(快速列車)に乗車したが、
この時間はIC(InterCity,特急列車)がある。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 | 行先 |
Rostock Hbf 16:25 → Hamburg Hbf 18:16 | IC2379 | Frankfurt(Main)Hbf |
REだと所要時間2時間20分掛かったが、ICだと所要時間2時間弱!駅に停まらないだけ あって、20分以上早く到達する事ができる。また、座席もリクライニングシートになって いて快適に過ごす事ができる。さすが特急列車!
InterCity | 車内の様子 |
まもなくハンブルク中央駅 | ハンブルク中央駅到着 |
●軽く夕食
当初、Hamburg Hbfから、さらに列車を乗り継いで観光を継続しようと考えた。しかし、
18時過ぎから観光を継続すると、戻ってくると、自然と夜遅くなってしまう。疲れも出て
いる事もあり、これ以上の観光は無謀と判断。素直にS-Bahnに乗って宿のあるアルトナ駅
へ向かう。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名 |
Hamburg Hbf → Hamburg-Altona | S-Bahn |
アルトナ駅 到着 | アルトナ駅 駅舎 |
アルトナ駅に到着すると時刻は既に19時前。夕食時間である。予想以上に疲れが出ている。
Hamburg中心部まで出るのも辛くなってしまった。なので、今日はアルトナ駅地下にある
食堂で軽く夕食を食べる事にする。
行った場所は、よりによって中国系のお店。そして、焼きそばを頂く(笑)安く量が多
い上に旨い!
この店、どう見ても中国系なのだが、使い捨て箸の袋には「竹の香り」と、日本語が書か
れている。久々に日本語を見たような気がした。
食後は買い物の上、宿に戻り、早めに就寝。部屋でO氏と飲んでから寝る予定だったが、
不覚にも殆ど飲まずに寝てしまう。
疲れが結構溜まっているようだ。
アルトナ駅構内にある鉄道模型 | 焼きそば |