2010年3月22日(月)
●再び55円の朝食
 今日は早起き。  朝7時前に起床して身支度し、準備次第ホテルを出発。
朝早くても既に街は眠りから覚めており、道路は車であふれている。

まずは朝食、ホテル近くにある食堂「杭州小吃」がすっかり気に入ったので再び来店。
昨日と同じワンタンと小龍包を頂く。(2人で8元)
うん、やっぱり旨い!!!

杭州小吃 ワンタンと小龍包


●足を伸ばす
 折角の北京旅行、少し足を伸ばしたい。
と言う訳で早めの出発。これから天津へ向かう。

天津へは北京南站から高速鉄道で行く事ができる。
北京南站へは地下鉄4号線で行く事ができるので、まずはホテルから最寄の4号線の駅、平安里站へ向かう。

最寄り駅と言っても歩きだと結構離れているのでバスで向かう。
と言う訳でバス停へ向かおう。
今日は昨日とは別の系統に乗るため、昨日とは別のバス停「宽街路口」(寛街路口/kuan jie lu kou)へ向かう。

バス停へ向かう途中、通りには中国の将棋盤が設置されている。
象棋(xiangqi)という将棋で、中国で盛んに行われている将棋である。

まだ朝早いという事もあり、将棋をしている人は見かけなかったが、もう少し遅い時間になれば、道の端で将棋に勤しむ。と言った忙しい都会の中での長閑なシーンに出会えるかもしれません。

道端に将棋盤 中国将棋(象棋)

今日乗車するバスもエコなトロリーバス。
トロリーバスは日本ではアルペンルートでしか見る事ができないが、北京中心部では頻繁に見かける。
バス停で待つと、118路のトロリーバスが到着。早速乗り込もう。

混雑するバス通り 暫くバスを待つ

歩くと遠いがバスだとすぐの距離。
しかし、朝のラッシュ時で道路が混んでいる為、中々進まない。
結局、地下鉄駅がある平安里まで20分以上掛かってしまう(涙)

乗車 → 下車 系統 行先 運賃
宽街路口 → 平安里路口西 118路 紫竹院南门 0.4元(共通乗車券使用)

118路トロリーバス 自転車で賑わう平安里交差点


●地下鉄4号線に乗車
 平安里からは地下鉄4号線に乗車。4号線は昨日も乗車した香港の地下鉄っぽい路線。
ここからは渋滞に巻き込まれる心配はない。

渋滞は無いが朝のラッシュ時という事もあり、駅構内は大変な混雑!
かと思ったら意外にも人が疎ら。

北京の地下鉄は乗車時に手荷物検査があり、人が多いと改札を通るのに時間が掛かる。
多少覚悟していたが、手荷物検査はあっさり終了。ちと拍子抜け。
ま、スムーズに通れる事は良いこと♪

地下鉄車内は混んでいるものの、それ程酷くは無い。
郊外へ向かうにも関わらず年々混雑が酷くなっている感のある朝の中央線下り列車(高尾行き)と比べれば空いている部類に入るだろう。(>_<)

乗車駅 → 下車駅 列車名 行先 運賃
平安里 → 北京南 地铁四号线 公益西桥 2元

平安里站 手荷物検査場
切符券売機 ホーム。人は疎ら


●城際鐵路(Intercity Railway)
 天津方面への高速鉄道の接続駅である北京南站で地下鉄を下車。
地下鉄、高速鉄道共に最近完成したばかりの為、とても綺麗!!

北京南站 到着 高速鉄道に乗り換え


北京南站からは高速鉄道に乗車する。

天津方面への鉄道は「京津城际铁路」(京津城際鐵路/Beijing-Tianjin Intercity Railway)と呼ばれている。Intercity Railway、すなわち都市間鉄道である。

北京~天津間 約120kmを僅か30分で結び、最高速度は350km/h!!!
世界一の速さを誇る高速鉄道である。

世界一高速の鉄道、是非乗ってみたいが、その為には乗車券を購入しなければ!
しかし、ここで問題が。中国の都市間鉄道に乗る際の最大の障壁は乗車券確保の困難さ!

切符売場の殺伐とした雰囲気もさることながら、空席自体が無いという問題がある。
以前、青島から北京へ移動する際、乗車券を全く購入できず、列車移動を諦めた事もある。中国で鉄道の乗車券を購入するのは本当に難しい。

天津への高速鉄道は30分に1本と本数が多いので購入しやすい状況ではあるものの、やはり不安がある。
乗車券、ちゃんと買えるかな?という不安を抱えつつ切符売場へ向かう。

しかし、切符売場に殆ど人がいない...
あれ? ちゃんと営業しているのか? と疑ってしまうが、乗車券は買えるらしい。
早速、次の便の天津行きの乗車券を購入しよう。

備え付けのタッチパネル式の案内端末で次の便の便名と時刻を確認し、いざ窓口へ!

地下鉄 北京南站の出口 切符売場


「次の便で天津まで、2枚!」

すると、運賃を告げられる。
「沒有」(無い)と言われていない(笑)

その通りに支払うと、あっさり乗車券が発券される。

あれ?? こんなに簡単に乗車券を買えて良いの???

無事に乗車券を購入できたので、高速鉄道の乗り場へと向かう。
手荷物検査を受け、乗り場があるコンコースに入ると、とても開放的な空間が!
ここは空港か!? と言った印象。

台灣高鐵(台湾新幹線)の左營車站、韓國高速鐵道(KTX)のソウル驛も空港の様に開放感のある駅だが、最近はこのような駅が流行っているのだろうか?

北京南站 駅前の様子。黄砂が酷い(>_<)
乗車券 開放的な駅構内
構内でも切符を買えます 空港のような雰囲気
(参考)台灣高鐵 左營車站 (参考)韓國高速鐵道 ソウル驛

発車時間が近づくと改札口が開けられ、大勢の乗客が改札へ押し寄せてくる。
列車の改札口というより、飛行機の搭乗口の様だ。

そして、京津城际铁路の改札口は自動改札。
中国の都市圏移動で自動改札は初めて。時代の流れを感じます。

エスカレータを下ってホームに降りると、列車は既に入線済み。
早速乗りましょう。

改札が始まりました 京津城际铁路(天津側)


京津城际铁路の車輌は全てCRH3型で運行されている。
このCRH3型はドイツのICE3がベースだ。

また、開業当時はJR東日本の東北新幹線等で活躍しているE2系1000番台ベースのCRH2-300型車輌も営業していたが、現在(2010年3月現在)は別の路線に転属となり、運行されていない。

日本の車輌が走っていないのは残念と思うかもしれないが、このCRH2-300型車輌は設計上の最高速度を上回る速度で走行させていた為、日本側が抗議したという経緯がある。
日本でも350km/hで営業運転の実績が無いのだから運行中止は当然と言える。

想定されていない使われ方で事故が起きても日本側は責任を取れないし、その結果、多くの労力と時間を掛けて築き上げた「新幹線」ブランドに傷が付くのは防がなくてはならない。

話を元に戻そう。
座席は1等、2等の他、特等があり、全部で3クラス制。
今回は奮発して特等にしました!

列車は8両編成で、1等車は5号車、2等車は1~3、6~8号車、そして特等は1号車、8号車にある展望席となっている。ちなみに5号車は酒吧車、すなわちBar Carとなっている。

今回、アサインされた座席は8号車。
北京側の展望席!

側面には「CRH」の文字 京津城际铁路(北京側)

座席は1×2の3列シートが2列とその後ろに2列シートがあり、合計8席。
座席は全て進行方向を向いている為、天津行きの8号車は展望席を背にして座る事になる。
折角の展望席だがやむなし。

展望席と言っても前に運転席があるので、小田急のロマンスカーの様な見易さは無いが、300km/h以上で走る高速鉄道の前面展望を見られるというだけでも凄い!
そこまで贅沢は言うまい。

特等より2等席を望む 旅客乗車案内

設備の利用方法等の案内 号車案内


乗車駅 → 下車駅 列車名 行先 列車番号 運賃
北京南08:55→天津09:25 和谐号 天津 C2013 99元(特等)

定刻より少し前に列車は出発。
中国の長距離列車は定刻より微妙に早く出発するが、高速列車でも同様らしい(笑)

出発すると、車掌より、おしぼりとお菓子が配布される。
列車はすぐに北京南站を出るとすぐに高速新線に入り、ぐんぐんと速度を上げていく!
そして手持ちのGPSで時速333km/hを記録!

は、速い!!!

北京を出発して僅か30分で天津に到着。
正に「あっという間」という言葉がぴったり似合う。

お菓子とおしぼり 333km/hで走行中!!!
後方展望を楽しむ まもなく天津
天津站 到着 ドイツを感じさせる行先表示
天津站に並ぶCRH3型 出口へと向かいましょう


●帰りの足を確保!
 中国で都市間移動した後の原則。帰りの足を確保せよ!
鉄道の乗車券の入手が難しい中国。120kmという距離であっても油断禁物。

と言う訳で天津市内へ行く前に帰りの乗車券を購入しよう。
早速、駅構内の切符売場へ向かおう。

しかし、天津站の切符売場は大勢の人で賑わっている。
やっぱり中国、切符売場はこうでなくちゃ!(汗)

天津站(天津駅) 混雑する切符売場


この列に並ぶと5分以上掛かる。割り込みもされるし、精神衛生上も宜しくありません(笑)
しかし、切符売場の横に素晴らしい機械を発見!
そうです!自動券売機です!!!

自動券売機

こちらは高速鉄道専用という事もあり、使っている人は殆どいない。
これなら、すぐに購入できそうだ。

英語モードもあるので、中国語が判らなくても安心。
と言っても漢字が使える日本人は、中国語でも行けるかもしれない。

早速、端末を叩いてみましょう。
画面の指示に従ってタッチパネルを操作するだけなので難しくありません。
出発駅、到着駅、日付を選ぶと空席状況が表示されます。
乗りたい便を選択して、購入枚数を選択。この時、1等、2等の選択も行います。

最後にお金を投入すると乗車券が発券されます。
発券画面で割り当てられた座席番号も表示されるのが面白い。

そして、帰りの乗車券も無事にGET!
こんなに簡単に鉄道の乗車券を買えるなんて...
中国の時代の流れを感じます。

切符を買いましょう あっさり発券!


●天津市内観光
 帰りの足を確保できたので、いざ天津市内へ!
天津中心部の商店街へ向かう。天津站(天津駅)は2010年3月現在、地下鉄は乗り入れていない為、街の中心部へはバスでアクセスする必要がある。
地下鉄は現在建設中で、将来的には乗り入れる予定である。

初めて訪れた都市でバスに乗るのは時間が掛かる。
目的地へ行くバスの系統を調べて、さらに乗り場を調べてないとならない。

案内板で調べた結果、824路の系統で行ける事が判明。
バス停へ向かう。

天津站(天津駅)はバス路線が充実しており、乗り場もA~Cの3つに分かれている。
バス停を探すだけでも大変だ。
で、ようやくバス停を発見!

バス停に着くと、すぐにバスが到着。
乗りま~す!!!

バス乗り場 バスに乗りました!

バスはワンマン。中国でもワンマンバスが増えてきた様な気がする。
乗車時に運賃を確認すると、1.5元。
なんとも中途半端な!

O氏も私も5角なんて持っていない。
中国のワンマンバスはおつりが出ないので、小銭が無い場合は2元払う必要がある。
と言う訳で2人分!と言って3元支払う。2人分の運賃を一緒に払えば5角は必要なし。

乗客が乗り込むと、バスはすぐに発車。
天津市内中心部へと向かう。

乗車 → 下車 系統 行先 運賃
天津站 → 估衣街 824路 公用局技校 1.5元

大きなオブジェを発見 バスを下車


●市内観光
 估衣街というバスで下車。目の前にはバス停と同名の商店街「估衣街」(Guyi street)がある。
天津中心部の観光ポイントも隣接しているので、歩いて観光していこう。

昨日の夜、足が痛くなってしまい、歩くのには不安があるが、折角の天津。
観光しないで後悔するより観光して後悔しよう。

私の海外旅行は結構歩くので、使い慣れた靴で来ている。
しかし、大分、使い込んだ事もあり、使い慣れたというより、使い過ぎた靴に変化してしまう(笑)
その為、クッションが機能しなくなり、足に負担が掛かる状態になってしまったようだ(涙)

とりあえず歩く。
マーケットは買う目的で行かなくても楽しいもの。
お土産を探す楽しみにもなるし、その土地ならではの品を見ているのは飽きない。

估衣街

「估衣街」は昔ながらの景観になっていて特に楽しい。
中国の「国家3A级旅游景区」(National tourist attraction AAA)にも指定されている。
ちなみに旅游景区の最高は5Aで、北京だと万里の長城(八达岭长城)、故宫博物院等が指定されている。

「估衣」を翻訳すると、古着や既製品の安い服等と言った感じ。
名前の通り衣類を扱う店が多く並んでいる。
それにしても、今日は黄砂が凄く、晴れているのか曇っているのかが判らない(涙)

続いて、別の商店街へ入っていく。
下町っぽい雰囲気を感じさせる。
観光地として綺麗に整備された估衣街も楽しいが、市民生活を肌で感じる事ができる商店街も楽しい。
しかし、歩いている内に足が徐々に痛くなってくる(涙)

商店街(その1) 商店街(その2)


●天津天后宫
 続いて、天津天后宫へ向かう。天津天后宫は媽祖様を祀っている。
ちなみに横浜の中華街にも同じ媽祖様を祀っている「横浜媽祖廟」がある。

尚、天津天后宫周辺は商店街になっており、工芸品や土産品等、色々なものを扱うお店が並んでいる。
こちらも楽しい!

商店街の入口には牌楼があり、いかにも中華街!と言った雰囲気。牌楼には「沽上藝苑」と書かれている。
「沽」は天津、「藝苑」は文学を意味する。文字通り書物を扱う店が多い。

牌楼は中華街の雰囲気を醸し出すが、中国で中華街というのも変な感じがする(笑)
天津天后宫へ向かいつつ、商店街を歩いてみよう。

牌楼とオート三輪 露天もあります

楼戏(樓戲) 天津天后宫の前まで来ました


商店街を歩いて天津天后宫まで来ました。
では、早速中へ入って参拝しましょう。と思ったら入場券が必要らしい。

横に切符売場らしい窓口があるので、売って欲しい旨を伝えるが、お金は不要らしく切符だけ受け取る。
そして切符を入口の係員に渡す。
うーん、これって意味があるのかな?

入場者数でもカウントしているのか?
真相は謎のままである。

改めて中へ入り参拝しましょう。
寺廟内でお線香が売られているので、購入して参拝する。
お線香はセットになっており、廟内の香炉を全て参拝すると全て使うことが出来ます。
参拝方法は横浜媽祖廟と殆ど同じです。

香炉 では参拝しましょう


●鼓楼(鼓樓)
 天津天后宫の参拝が終わると、かなり足が痛くなってしまう(>_<)
しかし、近隣には、まだ見所がある!頑張ってあと1箇所回ろう。

続いて訪れたのは鼓楼(鼓樓)、「鼓楼」とは太鼓を設置する施設。
時報や緊急事態を伝達する役割を持っています。

出典 Wikipedia 「鼓楼

鼓楼の周辺もご他聞に漏れず商店街になっている。
この付近は観光地として整備されており散策が楽しい!

黄砂が凄く商店街から鼓楼を望むと霞んで見える。
この風景がまた幻想的で良い雰囲気だ。

商店街から鼓楼を望む


商店街には昔の日常風景を感じさせるシーンをデザインした銅像があり、見ていて飽きない。
そして、頑張って鼓楼に到着。

残念ながら中には入れないので、回りからの見学となる。
鼓楼で空を見上げると、薄っすらと太陽が見える。
晴れているが、黄砂で曇り空になっているのが良く判る。

商店街にある銅像 鼓楼に到着

鼓楼の空から薄っすらと太陽が見える


●昼食
 鼓楼に着くと既に時刻は12時30分、もう昼食の時間だ。
今日の昼食はガイドブックにあった「狗不理总店」(狗不理本店)に決定。
鼓楼からは結構離れているので、タクシーで向かう。

大通りまで出て適当にタクシーを捕まえる。
天津市内は結構タクシーを見かけるので、流しのタクシーも捕まえる。

タクシーの運転手に「狗不理总店」へ行って貰う。
有名店らしく、店の目の前まで行ってくれる。

狗不理总店

店内はかなり豪華!
お店の入口には「5つ星レストラン」の看板もある。これは凄い!

例のごとく予約していないので大丈夫かな?
と思ったら、すんなり2階席へ通される。おお、良い感じ♪

5つ星レストラン 店内の様子


待たされることなく着席。
とりあえず、ビールと何品か注文。今回は北京啤酒(北京ビール)
実は、このビール、日本のアサヒビールの現地法人が現地生産の上、発売しているもの。
アサヒビールは中国、香港や台湾でよく見かけるが、現地で独自のブランドを立ち上げているのである。これは凄い!

料理は時間が掛かるがビールはすぐに到着!
とりあえず乾杯!うん、旨い!

席に通されました

とりあえず乾杯!

ビールを飲んでいると、料理も続々と到着。こちらも旨い!!
そして、名物の狗不理包子も到着!
今回は2人なので、「百年酱肉包」、「传统猪肉包」の2種類を注文。
どちらも美味!!

そして無事に完食。

小菜(その1) 小菜(その2)

狗不理包子 ごちそうさまでした!

食事を終えた我々は再び北京へ...
しかし、北京へ帰る前に買いたい物がある。そう、天津と言えばアレ!
次回に続く...


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