2006年9月1日(金)

●Prologue
 7月末、ついつい購入してしまった青春18きっぷ。しかし、8月はドイツへ出かけ たりして使用する機会が中々無かった。9月に入ろうとする時期に残り3日分。こりゃ やばい!なんとか使い切らないと!と貧乏根性丸出しになる(笑)
 丁度、大学時代後輩のO氏とアルペンルートに行くという話しが持ち上がり、早速 行程を検討する。金曜日の夜に出て、土曜日の朝からアルペンルートに入れば、滞在時 間も確保できる事が判明。早速、「みどりの窓口」で指定券を検索すると空席あり! この時点で旅行に出かけるが決定!
 さらに、この日は富山近くの越中八尾で全国的に有名な祭りである「おわら風の盆」 が開催されている。じゃ、これも見学するか!とルートの骨格もあっさりと決まる。
 そして9月1日(金)というか9月2日(土)深夜にJR八王子駅にて集合する事に なった。

●飲み会の後、出発!
 新宿で22時過ぎまで会社の人と飲んで酔っ払って帰宅。帰宅後30分で状態で急いで 身支度してJR八王子駅に向かう。
 八王子駅にて同行のO氏と合流し、改札口で18きっぷのスタンプを押して貰い 「ムーンライト信州」に乗り込む。既にしっかり飲んでいるが、車内で軽く飲み直 してから就寝する。


2006年9月2日(土)
八王子 0:40 → 信濃大町 5:08 ムーンライト信州 白馬 8421M

●お目覚め
 松本駅で一旦目が覚める。通常、松本で大量下車があるのだが、何故かこの日は降りる 人が少なく、信濃大町まで、かなりの乗車率があった。信濃大町には寝過ごさずに下車。
 ここ、信濃大町駅からアルペンルートを通って富山へ向かう。O氏は既にアルペンルー トの切符を購入しているが、私はまだ購入していない。従って、何処かで乗車券を購入す る必要がある。

信濃大町駅到着 信濃大町駅駅舎

●いざ、アルペンルートへ!
 信濃大町駅の改札口を出ると、アルペンルートの臨時切符売り場があり、駅員が乗車券 を売っている。丁度良いので、そこで立山までの片道乗車券を購入。信濃大町駅から富山 地鉄立山駅まで片道乗車券9,390円也。高っ!
 ここの臨時切符売り場、購入希望者が多く、結構切符が売れている。金曜日の夜出発で 土曜日の朝からアルペンルートを回れるというメリットがある為、我々と同じルートでア ルペンルートを目指す人は多そうである。

信濃大町 6:20 → 扇沢 7:00 路線バス

 信濃大町駅から富山地鉄立山駅までは路線バス、トロリーバス、ケーブルカー等を乗り 継いで行く。まずは信濃大町から扇沢までバスに乗車する。バスはほぼ満員の状態で出発。 発車後、直ぐに寝てしまい。気が付くと終点扇沢到着直前。信濃大町の街中を走っていた のが、いつの間にか山の中を走っていた(笑)

扇沢行き路線バス 扇沢到着

●初めてのトロリーバス
 扇沢からはトロリーバスで黒部ダムを目指す。我々が所有している乗車券で、そのまま アルペンルートの交通機関に乗車する事はできない。ここでバーコード入りの専用乗車券 に交換する必要がある。
 バス下車後、早速窓口で交換手続きする。窓口は乗車券の新規購入と交換用の窓口が分 かれている。乗車券交換用の窓口は空いているが新規購入の窓口には長蛇の列。 信濃大町駅で予め乗車券を購入して正解だった。

 今日の黒部ダム方面の始発バスは7:30発。発車まで待合室にて約40分待つ。時間改札で 発車時刻近くになるまで改札を行わないため、それまでバスに乗る事はできない。そのた め、列はどんどん長くなる。今日はかなり混雑しそうだ。
 改札が始まると、一人一人の乗車券のバーコードをスキャンして通している。バーコー ド読み取り機が、スーパーのレジにあるような読み取り機である。スキャン時の音もスー パーのレジにある物とそっくり。スーパーで買い物をしているような錯覚を覚える(笑)
扇沢 7:30 → 黒部ダム 7:46 関電トロリーバス

 改札を通りホームへ行くと、トロリーバスが5台程待機している。前の方のバスは既に 混雑しているため、後ろの方に停まっているバスの一番前の座席に乗車。そのバスにもど んどん乗客が乗り込み、満員の状態で発車する。

 トロリーバス自体は上海で見た事はあるが、乗るのは初めてである。バスなのに電車の 様なインバータ制御のモーター音がする為、違和感を覚える。
 バスは坂を登り暫くするとトンネルに入る。関電トンネルである。トンネルは狭いため、 途中で待避場があるが、始発バスの為、一旦停止の後にそのまま出発する。トンネル内で 長野県から富山県に入り黒部ダムに到着。

トロリーバス乗り場へ トロリーバスに乗車
出発! 黒部ダム到着

●快晴の黒部ダム!
 黒部ダムではダムの見学をする。Viewポイントが何箇所かあり、まずはダムを見下ろす 場所に行く。階段自体は大した事ないが、いきなり標高が高い所に来てしまった為、すぐ に疲れてしまう。空気が地上より薄く、いつもより疲れやすい。
 階段を登り切り外に出ると見渡す限りの青空が!!日ごろの行いが良いのか(?)今日 は晴天である!
 しかも係員によると、前の日までは天候が悪かったそうである。今日来れたのは運が良い。

黒部湖  8:50 → 黒部平 8:55 黒部ケーブルカー

 他のViewポイントでも黒部ダムを見学した後はダムを渡り、ケーブルカー乗り場へ行く。 ここ黒部湖駅からケーブルカーで黒部平へ向かう。黒部湖駅にすると、次のケーブルカー の発車直前であった、急いで改札口へ向かう。ケーブルカーの改札口でも扇沢と同様、バー コードのスキャンを受け、さらに番号の付いた整理券を受け取る。この整理券は次に乗る ロープウェイの整理券らしい。
 ここのケーブルカーは全線トンネルの中を進む。トンネルを出た時の景色が楽しみであ る。

黒部ダム 見渡す限りの青空!
黒部湖を望む 黒部ダムを歩く
ケーブルカーに乗車 黒部平に到着

●さらに上へ!!

黒部平  9:20頃→ 大観峰 9:27頃 立山ロープウェイ
大観峰  9:45 → 室堂 9:55 立山トロリーバス

 黒部平駅を降りると、次はロープウェイである。ロープウェイは手持ちの整理券に書か れている番号が呼ばれるまで乗車できない仕組み。暫く駅で待つ事に。蕎麦屋があったの で軽く食事。

 番号を呼ばれてから改札口へ向かう。そこから大観峰までロープウェイで登る。晴れて いるので見事な景色!暫くの間、空中散歩を楽しむ。
 大観峰からはトンネルに入り、再びトロリーバスに乗車。今度は3台体制である。バス 1台がぎりぎりで通れる程度の狭いトンネルを進む。途中、待避所で反対方向のバスと交 換する。結局室堂まで、ずっとトンネルで地下鉄(というか地下バス)に乗っている感覚 であった。

黒部平にて ロープウェイ内より
まもなく大観峰 大観峰より黒部湖を見下す
室堂行きバスの改札口 途中でバス同士が行き違う
室堂に到着 標高2450m!

●快晴の室堂
 室堂では山道を歩き景色を眺めつつ、日帰り温泉「みくりが池温泉」に向かう。ここの 温泉は日本で一番高地にある温泉とのこと。ちなみに標高は2,410mとのこと。  温泉に入る前に「みくりが池温泉」の脇にある階段を下った所にある地獄谷へ行ってみ る。地獄谷への入口ではガスが発生して注意を促す放送が流れている。しかも日、英、中 の3ヶ国語でアナウンス!国際的な観光地なんだなぁと実感。
 地獄谷に下りるとそこら中に煙が吹き出ている。確かにガス濃度が高そうだ。長居は危 なそうなので、少し見てから地獄谷入口へ戻る。地獄谷へ行くために、かなりの階段を下っ ている。すなわち、帰りは登らないとならない。そう!地獄谷の帰りは「地獄の階段」が 待っているのである(涙)

室堂バスターミナルより 雲の上を歩く!
室堂の風景 みくりが池
地獄谷 雷鳥を発見!

●一番高い温泉
 地獄谷から這い上がった後、今度こそ「みくりが池温泉」に向かう。温泉入口のカウン ターで入浴料600円を支払い中へ入る。料金を支払うと記念にコースターを頂く。温泉は 白濁の濃厚な泉質の温泉。もちろん源泉掛け流し!さらに加水、加温もしていないとか。 正に本物の温泉である!

みくりが池温泉 昼食

●途中下車
室堂 13:40 → 弥陀ヶ原 13:55 高原バス

 温泉を楽しんだ後は室堂のバスターミナルに戻り、高原バスで一気に下山して美女平へ 向かう。ここの高原バスは途中下車が可能である。折角なので一旦降りてみることにする。 しかし、バスが定員制の為、再度乗る際に予約が必要と敷居が高い。さらに途中下車して から散策を終えバス停に戻ると満員のバスがジャンジャン通過する。途中下車は気軽にで きるからこそ楽しめるものであって、わざわざ予約が必要となると楽しさが半減する。こ こは途中下車せずに一気に行くのが良いと思う。

弥陀ヶ原 14:35 → 美女平 15:10 高原バス
美女平  15:30頃→ 立山  15:37頃 立山ケーブルカー

 途中下車したバス停から乗り込む際、美女平から乗るケーブルカーの整理券を貰う。こ こも混雑していそうだ。  美女平は人でごった返している。下りのケーブルカーに乗るべく待つ。待つ割には土産 物屋とか食堂は用意されていない。ただ、人が多い割に意外と早く乗る事ができ、ケーブ ルカーを降りると立山駅に到着。ここでアルペンルートは終点です。お疲れ様でした。

弥陀ヶ原にて 美女平到着
混雑するホーム 立山駅に到着

●今日の宿へ
立山 16:02 → 新魚津 16:54 特急アルペン3号 宇奈月温泉

 立山からは本日の宿がある魚津に向かう。何故魚津か?富山の宿が取れなかったからで ある。今日は富山近くの八尾で「おわら風の盆」という全国でも有名な祭りが開催されて おり、その影響で富山市内のホテルは軒並み満室。この祭り恐るべし!

●「おわら風の盆」へ!
魚津 17:22 → 富山 17:45 富山 538M

 魚津駅前の宿にチェックインして荷物を置いてから直ぐに駅へ向かう。これから「おわ ら風の盆」を見物する。まずはJRで富山駅へ向かう。
 富山駅で腹ごしらえしてから「おわら風の盆」の会場がある越中八尾駅に向くべく高山 線に乗ろうとすると、なんと整理券が必要とのこと。しかも今から整理券を貰った所で列 車に乗れるまで1時間待つ必要があるため、駅前のバス停からバスに乗車する。途中渋滞 して1時間程度で到着。時間は掛かったものの列車で行くより早く到着。

 事前にインターネット等で調査していたが、「おわら風の盆」は具体的に何処でどんな イベントがあるのか情報が掴めなかった。まずは情報を収集する。少し歩いた所に案内所 があったので、とりあえず地図付きの案内図を貰う。 適当に歩いていると神社の境内で輪踊りをしている事が判明!人ごみを掻き分け会場へ向 かう。
それにしても凄い人・人・人である。
踊りをしばし見る。哀愁漂う旋律に独特の踊り。思わず見とれてしまう。

輪踊りが一段落すると司会の人が
「本日は混雑の為、町流しを見合わせます」
とのこと。町流しを楽しみに、ここまで来たのに中止とは!
確かに町中は道路が狭く、そこに凄い人が訪れているが、通行規制して通路を確保する等、 方法は幾らでもある気がするが...

越中八尾行き臨時快速 会場は多くの灯篭が灯る
輪踊り(その1) 輪踊り(その2)

●「おわら風の盆」を見て感じたこと
「おわら風の盆」は全国的に有名な祭りであるが、スケジュール等はきちんと決められて おらず、町流しなどは祭りの参加者の気分で始まる。

 私が感じた事はここ越中八尾は良くも悪くも観光地化されていない町ということ。
元々地元で行っていた祭りが、いつの間にか全国的に有名な祭りになってしまい、混雑で 町流しもできない程の状態になってしまった様に思えました。 (町流しが出来ない程の混雑になったのは、我々が訪れた日が週末だったかもしれないが...)

町流し1(後日、八王子にて) 町流し2(後日、八王子にて)

●宿に戻る
 これ以上町を巡っても見れる保証が無いので宿に戻る。途中、有志の方で何人かで踊っ ている所もあったが、結局、本格的な流しは見ることがなかった。残念。
 今回は事前の調査不足という事もあり、消化不足の見学となってしまった。次回訪れる 際は万全の体制で望もうと思う。
 帰りは越中八尾駅からJRに乗って戻る。駅に着くと、まるでディズニーランドの人気 アトラクションにでも乗る様な大行列!この列に並ばないと列車に乗れないらしい。とり あえず並んで列車を待つ。
 列車入線後、徐々に並んでいる人が次々に駅の中に入っていく。途中、何度か満員と列 を止められたが、我々も入線した列車に乗る事ができた。行列に並んでようやく乗れた列 車は「ビックサンダーマウンテン」や「ウエスタンリバー鉄道」ではなく、「キハ58」 国鉄型のディーゼルカーである。

 車内はさぞかし満員なんだろうと思いきや、何の事も無い。車内の奥まで入る事ができ た。普段、東京の通勤ラッシュの電車に乗っている人間にとっては大したこと無い。まだ まだ乗れるのに乗車を打ち切るのに驚く。それだけ東京の通勤ラッシュが異常という事な のだろう。

 この列車は富山までノンストップ!とは言え、単線区間の為、途中行き違いで何度か停 車する。富山到着後魚津に向かうが、列車が無く、30分以上も待たされる。ついてない。

越中八尾 21:52 → 富山 22:18 快速 9961D 富山
富山 22:53 → 魚津 23:16 泊 538M


2006年9月3日(日)
●まずは富山へ
 宿で朝食を採り、9時に宿をチェックアウトして富山駅へ向かう。

魚津 9:17 → 富山 9:40 富山 538M

 富山では今年の春に開業した富山ライトレールに乗車する。この鉄道は元々は富山港線 というJR線であったが、今年のGWに路面電車として開業し、第2の人生を歩んでいる。 以前、この路線を訪れた時、この路線は駅間も短く、普通の鉄道として営業するより路面 電車などの軽鉄道にした方が合っていると思っていたが、本当にそうなってしまった。
 また、路面電車に伴い、一部ルートが切り替わり併用軌道が誕生していたり、電停が追 加されている。但し、駅が増えても加減速が得意な新型路面電車(Light Rail Vehicle) を導入した事により所要時間も殆ど変わっていない。
 しかしながら地元民にとって路面電車化の一番のメリットは本数の増加だろう。元々1 時間に1本有るか無いかという不便な鉄道が15分に1本走るようになったのである。こ れは大きな進歩と言える。

富山駅北電停 電停には「おわら」の看板が
列車入線 富山駅北にて

●富山ライトレール
 富山駅の北口に降り立つと、目の前に真新しい富山ライトレールの「富山駅北」電停が 見える。近代的な電停である。
 富山ライトレールのトラムはドイツのトラムっぽい形をした100%低床車。ドイツ製では 無いが、ドイツの鉄道車両メーカーを買収したカナダのボンバルディア社の技術ライセン スを受けている。
 暫くして到着した電車に早速乗り込む。富山港線時代に比べて比較にならない程本数が 増え、時刻表が要らないのが嬉しい。さらにこの電車、休日は2007年3月までの期間限定 であるが、運賃が全線100円均一!環境だけではなく、お財布にも優しい交通機関である。
 富山駅から2つ目の電停までは路線切り替えが行われており完全なる新線で、そこから 先は元富山港線の線路を進む。線路は富山港線時代の面影を残しているが、殆どの駅のホ ームが取り壊され、路面電車用のホームに作り変えられている。ただし、若干オブジェ程 度に残っている箇所があった。
 終点岩瀬浜に着くと、JR富山港線時代の面影は全く無かった。もう完全に新しい鉄道 に生まれ変わっている。
 尚、岩瀬浜ではトラムと連絡するバス路線(富山港線フィーダーバス)があり、交通機関 通しの連携が行われている。欧州では普通に行われているが、日本でトラムとバスが同じ ホーム上で接続しているのは珍しい。このような試みが上手くいって欲しいと願う。

旧富山港線を走る 岩瀬浜にて
バスとトラムの連携 電停にバスが入線(※ドイツにて)
富山ライトレール(その1) 富山ライトレール(その2)

●帰京の途へ
 富山港線の変貌振りを見終えると東京に帰る時間。富山駅でお約束の駅弁!「ますのすし 」を購入して電車の中で食べながら帰宅。以後、自宅までひたすら乗換えを繰り返し帰宅 するのでした。
長岡から先、乗り換え時間も殆ど無く一気に帰宅。夕食を購入する時間すら無かったため、 八王子駅到着後、駅構内で食事してから帰宅。
(完)

富山 12:24 → 直江津14:17 直江津 541M
直江津14:21 → 長岡 15:57 長岡  1339M
長岡 16:20 → 水上 18:33 水上  1742M
水上 18:36 → 高崎 19:39 高崎  752M
高崎 19:43 → 高麗川21:00 高麗川 248D
高麗川21:01 → 八王子21:45 八王子 2068E

直江津行き普通列車 東京を目指す(長岡にて)


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