1月3日(火)
●行動開始!
 6時半頃に起床し、7時半に食事へ向かう。今日の朝食は宿代に含まれているため、ホ テルのレストランに行き朝食を採る。レストランに行く際、外の様子を見る事ができたが、 かなりの雨が降っている模様である。今日の行動をどうしようか悩む所である。
 レストランに着くと小姐に朝食券を渡す。バイキング方式である為、早速食材を調達す る。昨日、いきなり鍋にしてしまった為、お粥とおかず数品と胃にやさしそうなものをチ ョイス。と言っても何故かソーセージは入ってしまう(笑)
食事を簡単に済ませ、部屋に戻り身支度を行う。

本日の朝食

●ああ、天気が...
 8時半頃に宿をチェックアウトして行動開始とする。宿の外はかなりの雨が降っている。 しかし、私はいつもの様に傘を持っていない。しかし、最寄り駅である忠孝新生車站は小 さな道路を挟んだ対面にある。その程度だったら傘は不要である。急いで駅に入り濡れず に済む。
 忠孝新生車站から台北捷運に乗車して台北車站を目指す。いつものパターンである。し かし、台北車站はいつもと違っていた。今までの台湾旅行ではずっと工事していてベール に包まれていた台灣高鐵(台湾新幹線)の台北車站の壁が取り払われ、駅構内の様子が丸 々見える様になっていた。しかも、電光掲示板や一部の自動改札機は既に動作しており、 傍から見ると既に開業している様にも見える。もしかして、もう乗れるの?と錯覚してし まう。
 しかし、台灣高鐵の仮開業は1月5日だし、さらに台北車站については工事の遅れが原 因で1月5日には開業しない。見た感じだけで判断すると、既に駅としての機能が動いて おり1月5日に開業できそうな気がしてしまう。

左奥に待合所が見える 入口には自動改札が
台灣高鐵の窓口 こちらは自動券売機
別の入口。改札・案内板共に動作中! もう開業してるの?と錯覚

●予定の確認
 台灣高鐵の様子を見た後、台鉄の台北車站に行き、切符売り場前のベンチでWさんと本 日の行動を決める。相談した結果、日本で計画した通り、平溪線の終着である菁桐付近で 観光した後、九份の民宿を適当に見つけて宿泊する事に決まった。九份は山間の風光明媚 な景色である事で知られる所だが、今日、景色が楽しめるかは判らない。しかし、九份の 宿泊予定を明日(1月4日)にすると5日の新幹線の乗車が難しくなる為、予定を変更で きない。あと1日余裕があればと思う。

 予定が決まれば、あとは乗車券を購入するのみ。駅に掲出されている時刻表で次の列車 を調べた後、窓口にて

「次の莒光號、瑞芳まで2枚」

と言い、乗車券を購入する。希望通り次の列車の購入するができた。
 発車まで40分あるので、駅構内のコンビニで飲み物を調達したりして時間を潰す。 さらに今後の行程を調査する為、時刻表を買う事にする。しかし、コンビニや台鐵ショップ (鉄道グッズ販売店)等を覗くがいずれも売り切れ。 どうやら台北車站では既に売り切れているらしい。今後訪れる駅で探してみる事にしよう。

台鐵切符売り場

●客車列車の旅
 発車時間が迫ったので、階段を降りて改札口に入る。台北から瑞芳まで約40分強の旅で ある。台鐵ホームの隣には台灣高鐵(台湾新幹線)のホームも見える。丁度、新幹線が入 線してくる!今月5日の開業には間に合わないが、着々と試運転を行っている模様である。  5分程遅れてホームに滑り込んで来る。列車は遅れているが、台北車站では殆どの乗客 が入れ替わる為、乗降に時間が掛かるのでじれったい。また、それらを煽るように発車ベ ルが鳴り響く。

台北10:05→瑞芳10:48 莒光號 42車次 62元

瑞芳まで乗車する莒光號は客車列車である。私的な意見であるが、電車やディーゼルカー より客車で旅した方が「列車で旅している」という実感が沸く。台湾でも客車列車の数は 減っているものの、まだまだ現役。運転士も乗車機会が多く熟練している為か、発進時の 衝撃が無く、とても滑らかに走るのである。乗っていて心地よい。  前の列車が詰まっていたのか莒光號は遅れを取り戻す事無く瑞芳車站に到着する。到着 時点で10分以上遅れており既に11時を回っていた。

台鐵ホーム。左奥に新幹線が停車中

●負け
 瑞芳車站到着後、まずは平溪線の一日乗車券を購入する。今回は終点である菁桐まで行 く為、一日乗車券の元が取れる。乗車券購入後、平溪線の発車まで少し時間があるため、 一旦駅を降りる。
 駅を降りると雨が本降りになっている。こりゃ傘を買うしかないと判断。丁度、構内で 傘を売っている人がいるので、80元の折畳み傘を購入。
 駅の切符売り場付近に売店があるので、時刻表が無いか確認する。すると
「ある」
とのこと。あっさり時刻表をGet!
時刻表の購入後、ホームに戻る。すると既に平溪線の列車が入線していた。車内は結構混 んでいる。

瑞芳11:35→菁桐12:17 冷氣柴客 3211車次 一日乗車券使用

莒光號を見送る 奥の窓口で乗車券を購入

●平溪線の旅
 十分車站でかなりの下車がある。今日は雨なので十分瀑布に行っても楽しめそうもない ので、そのままスルー。終点菁桐車站まで乗りとおす。前回の台湾旅行時に訪れているが、 時間の都合で、そのまま折り返してしまい、町歩きをしていない。今日はこの町を歩く事 にする。とは言っても、外は雨。あまり激しく歩く訳にもいかない。
 まずは、腹が減ったので昼食とする。菁桐駅周辺を歩いてみると、とても閑散としてい る。本当に田舎町である。しかし、そのような町でも、きちんと食事ができる店があるの である。最も1件しかないが(笑)
 選択肢が無いので、そのまま店に入る事にする。町自体、殆ど人が居ないが、店の中に はお客さんがいる。適当な席に腰を下ろし、牛肉麺とお勧め小菜1品を注文する。久々に 牛肉麺との再開である。暫くすると、牛肉麺がやってくる、やっぱり旨い!さらに、お勧 めの小菜も良い感じである。我々の食事中、小姐が牛肉麺をテイクアウトで持ち帰る。閑 散としている町だが、持ち帰りの需要もあるのだなぁ!と関心。

冷氣柴客@瑞芳車站 十分車站でかなりの下車
車内の様子 菁桐車站到着
趣のある菁桐車站の屋根 菁桐車站駅舎
駅前の様子 猫発見!可愛!
久々の牛肉麺 小菜もGood!

 食後、菁桐駅前にある「菁桐煤礦生活館」に向かう。和訳すると「菁桐炭鉱生活館」と 言った所であろう。菁桐という町は炭鉱で栄えた町である。しかも、ここは入場無料と嬉 しい限りである。中に入り出迎えてくれたのは、牛肉麺を食べている受付の小姐(笑)
勤務中も普通に食事しているのは、なんとも台湾っぽい。ていうか、先程、我々が食事し ていた時に買いに来た小姐じゃん。
雨模様で人も少なく、とても暇そうであった。
 中は菁桐の町の歴史や文化が紹介されている。その中で天燈(天灯)という提灯みたい な物を空に飛ばす文化について、実物を交えて多く紹介されていた。無数の天燈を空に飛 ばす写真が展示されており、一度見てみたい衝動に駆られる。

 見学後、菁桐車站に戻り列車を待つ。朝ゆっくり来てしまったので、もう九份に行かな くてはならない。また晴れた日に再訪したいとてもよい雰囲気の町であった。駅構内で暫 く待つと列車が入線する。これに乗車して九份を目指す。

菁桐13:52→侯硐14:26 冷氣柴客 3218車次 一日乗車券使用

菁桐煤礦生活館 実物の天燈が展示されている
菁桐車站全体を写す 瑞芳を目指す冷氣柴客

●出身は?
 車内は結構空いている。平日、しかも雨天の観光路線である。空いているのも仕方ない。 途中、車掌による検札が始まる。
検札が進み、我々が乗車券を見せる番になり、ポケットから乗車券を取り出し、車掌に見 せる。すると車掌が話してくる。

「この列車はで侯硐で終点です」
と言って来るので

「我々は瑞芳まで行きたいのですが」
と行きたい場所を言う

「終点まで行って侯硐にて乗り換えて下さい」
と会話が進む。その後車掌が

「あなたは香港人?それとも日本人?」

と聞いてくる。いつもの事なので、すかさず

「日本人です」
と答えると、その後の会話に若干日本語が入る。日本語が話せる車掌がいるのは、台湾な らでは。日本語を使ってくれるのは嬉しいものである。
 侯硐で列車を降り、階段を登り、瑞芳方面へ向かう列車を待つ。直ぐに莒光號がや ってくる。平溪線に乗車していた殆どの乗客はそのまま莒光號に乗り込む。侯硐から 瑞芳まで1駅、6分間の乗車である。

侯硐14:32→瑞芳14:38 莒光號 58車次 一日乗車券使用

侯硐にて 侯硐から瑞芳までは莒光號で

●大雨
 瑞芳車站を降りると本降りの雨である。めげずにバスで九份へ向かう。運賃は22元であ る。以前訪れた時は19元だったので、若干値上げしている。雨の中、バスは山道をぐんぐ ん登る。15分程バスに乗ると九份に到着する。
 バス停前には展望台があり、晴れていれば絶景を楽しめる筈なのだが、今日は本降りの 雨である。まったく見えない(涙)

●宿探し
 展望台で景色を見た後は、九份で早速宿探し。ガイドブックに掲載されている宿は営業 しているかどうかも不明だったの為、自力で探す事に。
 いつの間にか外は激しい雨になっていた。しかも、風が強い。宿を探している途中、 ついに傘がひっくり返る!
元に戻すと、うまく戻らない。うわっ!骨の一部が曲がっているではないか!
あ~!今日買ったばかりの傘が~!!
 どうも、今日買った傘はひっくり返る現象に弱いらしい。不幸中の幸いとして、今回の 旅行中は耐えられそう。最終日に処分するとしよう。

 気を取り直して、宿探し再開。九份の景色を満喫できそうな食堂兼民宿を見つけて中に入る。

「今日、部屋がありますか?」
「ありますよ」

まずは部屋を見せて貰うが、ベッドが1つしかない。しかも、この雰囲気。どう見てもラ ブホテルである。
さすがに男2人でこの部屋は...

宿の人は補助ベッドを用意するとの事だったが、さすがに止めておく。
景色はとても良かったので、カップルで来ると、この部屋は良いかもしれない。

お礼を言って宿を去り、次の宿を探す。
適当に良さそうな宿を探して入る。

「今日、部屋がありますか?」
「ありますよ」
「1泊幾らですか?」
「2,000元です」
「ベッドは2つありますか?」
「ありますよ」
「先に部屋を見せてもらっていいですか?」
「いいですよ」

と、いい感じで話が進み、まずは部屋を見せてもらう。
お!今度は良い感じである! Wさんと相談し、ここに決める。
フロントに戻り、パスポートを提示し、宿帳を記帳する。さすがに、ここに泊まるのは殆 ど台湾人で日本人は皆無である。台湾の住所が並んでいる宿帳に日本の住所を記入する。
 部屋に戻り、テレビを見ながら暫く休憩する。TVのNewsでは台灣高鐵(台湾新幹線)の トラブルの話題が多く紹介されていた。行列に8時間並んだとか、自動券売機から小銭が 大量に出たりなど。トラブルと言っても以前のような列車運行面のNewsは無く、一安心。

「和」を感じさせる入口 部屋の様子

●夕食
 夕方になったので、夕食を食べに行く。
しかし、雨の日の観光地。昼間は賑やかだった店はシャッターが降り、急に寂しくなって いる。食堂も中々見つけられない。そういえば、宿でも夕食を用意できると言っていたの を思い出し、宿に戻って聞いてみると用意できるとのこと。
しかも宿泊客は170元の食事が100元に割り引かれる。
 他に選択肢も少なく、また、激しい雨の為、あまり動きたくないという事もあり、宿の 人に夕食を頼み、ここで食べる事にする。今日泊まった宿は部屋の前に食事可能な共有ス ペースがあり、そこで、九份の景色を楽しみながら食事ができる。
しばらく部屋で待っていると食事が運ばれてくる。早速食べると結構美味!
これで晴れていれば...は禁句(笑)

本日の夕食

●雨でも美しい九份の夜景
 雨と言っても町歩きしないと、折角九份に来た意味がない!と言う訳で、外に出掛ける 事にする。
 九份の商店街は提灯があるのだが、殆ど店が閉まっており、また、提灯に明かりが灯っ ていない。その為か、活気が無い状態。うーん残念。
 次に九份の坂道が綺麗な場所に行くと、今度は提灯の明かりが灯っているではないか!
この景色を見たさに九份の宿に泊まったのである!この景色、めちゃ感動!!
 アニメ映画「千と千尋の神隠し」の舞台になった町のモデルは、ここ九份だったと聞きま す。提灯の灯火、坂道、商店街、まさに映画の世界に入ったようです。

 景色を楽しんだ後、宿に戻る。まだまだ景色を見たいが、激しい雨の中歩いた結果、服 が濡れてしまう。このままでは風邪を引いてしまうので、残念ながら戻る事にする。ここ はリベンジしかないかな。とても気に入ったのでまた訪れる事にしよう。
 宿に戻った後、晩酌用の酒とツマミを買うのを忘れた事に気がつく。しかし、外は激し い雨である。服も乾かさす必要があるし、今日は諦める事にしよう。明日の予定を確認し て早めに就寝。
(注釈に★が付いている写真はクリックすると大きな画像が表示されます)

九份の夜景 ★「千と千尋..」っぽいシーン?
商店街(その1) 商店街(その2)
九份の坂(上から) ★九份の坂(下から)


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