●Prologue
 今回の旅行は2人で行く事になった。今回の同行者は今年の初めに一緒に台湾へ行った 大学の後輩であるN君である。まずは、旅行先を探す。行って見たい国を出し合うとお互 いに「ドイツ」が挙がった。という訳でドイツに決定。あとは航空券と宿の手配である。
 会社の休みの都合上、出発日が夏休みのピーク時になってしまい、航空券代が非常に高 いと覚悟していたが、上海での乗継便であるものの成田~Frankfurtの往復航空券が 95,000円、燃油surchargeと空港税を加えても120,000円以下という格安航空券を見つける 事ができ、さらに宿、現地交通機関の手配も無事に終了。あとは行くだけとなった。


8月12日(土)
●成田へ
 いつもの通り京成線で成田空港へ。今回の航空会社は中国東方航空をChoiceしている為、 空港第2ビルで下車。待ち合わせ場所でN君と合流し、早速Check in窓口に行くが、まだ 始まっていない。仕方が無いのでterminal内で食事をして時間を潰す。
 食後Check in窓口に戻ると既に列ができている。列に並びCheck inする。どうやらJAL とのCode Share便らしい。N君は荷物を2つ持っているので、内1つを預ける。これで Frankfurtまで行ってくれるが、乗り継ぎ便の場合、途中空港でのLost Bagageが不安である。
 さらに不安なのが今回は移動が主体の旅になること。荷物が多いという事は、移動する際 の機動力が無くなる事に繋がる。既に1度一緒に旅をしている事もあり、さらにN君自身 が20代後半と立派な大人である事もあり、荷物に関しては自己責任の範囲と判断して強く 言わなかった。どうなる事やら。

京成船橋駅にて 成田空港に到着

●波乱の天候
 ブーブーゲートを通り、入国審査を終えるとinternet Cafeである「Yahoo Cafe」へと 向かう。第2ターミナルには無料でinternetが楽しめる場所があるのが嬉しい。出発前に 最終的な現地情報を取得できる。
 Yahoo Cafeは大きな窓から空港内の施設が見える見晴らしの良い場所にあるのだが、今 日は飛行機より雷が気になる。雷が頻繁に落ちているのが見える。果たして飛行機は無事 に飛ぶことができるのか?
 ネットを閲覧している内に搭乗時間になり飛行機に搭乗する。今回搭乗する飛行機は上 海を経由して西安まで行くらしい。座席のシートポケットには西安の市街地図まで用意さ れていた。これからドイツではなく中国大陸の内陸部に行く気分になってきた。今回は上 海空港を経由するという事で人民元を持ってきたので尚更である。西安の地図を見るとド イツではなく西安に行きたくなってしまう(笑) 西安は次の海外旅行の行き先候補としよう。

待合室の様子 上海経由の西安行

一通り乗客が乗り、出発かと思いきや
「天候調整のため45分待機します」
とのこと。まじかよ!
 嫌な予感がしたが、やはり雷雨の影響はあるらしい。45分の待機中に飲み物の機内サー ビスが始まる。と言う訳でビールを注文。中国の航空会社なので当然中国語が使える。
 45分の滞在後、突然飛行機が動き出す。どうやら離陸できるらしい。結局1時間弱の遅 れで成田空港の第2滑走路より飛び立つ。揺れる機内の中で小姐(スッチーのお姉さん) は器用にMeal serviceをこなす。

中国の列車を思い出させる機内 まずは青島啤酒!(Qingdao Beer)

●上海到着
 飛行機は遅れを挽回して30分の遅れで上海空港に到着。着陸後、明るい空港ターミナル ではなく暗い場所に停止。タラップが取り付けられ、隣にはバスが待機している。なんと バスかよ!海外の空港では初めての経験である。
 飛行機を降りると早速熱風の洗礼を受ける。暑い!バスに乗り込み空港ターミナルへ移 動する。
 上海空港は飛行機の乗り継ぎでも一旦入国しないとならない。何故なら乗り継ぎ用のチ ェックインカウンターが入国審査場の先にあるのである。で、入国審査場は相変わらずの 大行列。30分以上要してようやく入国。入国後、乗り継ぎ用の窓口でcheck in. 窓際指定で希望通りassignされる。
 Check inを済ませると空港の外に出る。上海の場合、出発ロビーの窓口でCheck inする のと大して変わらない。メリットは窓口が空いていること。まぁ、通常Economy seatの 窓口が混雑している事を考えるとこのメリットは大きいかもしれないが。

上海行きの機内より 上海到着

●乗り継ぎ
 当初の予定では上海空港に5時間滞在予定であった。しかし、飛行機が遅れた上に入国 審査にも時間が掛かり滞在時間が4時間を切ってしまった。出かけるにしても離陸2時間 前には空港に戻る事を考えると観光する時間は無い。と言う訳で観光は断念して大人しく 空港の中で滞在する事にする。
 空港の外に居てもやる事が無いので出国手続きを行いFrankfurt行きの待合室に行く。 さすがに早すぎるのか、まだ誰も居ない。出発まで適当に時間をつぶす。出発2時間前を 切ると徐々に人が現れ、出発前には大分賑やかに。そして搭乗開始。海外の空港での乗り 継ぎ自体初めてであったが、時間的な余裕もありスムーズに行けた。

乗り継ぎ便の掲示板 上海浦東機場にて

●最新機材!だが。
 飛行機は最新鋭のA340である。にも関わらず座席にDisplayは無し。通常Displayがある 所にはDisplayの代わりにコンセントが付いている。もしPCを持っていれば長時間使用が 可能である。夕食のミールサービスの後、おやすみグッズが入ったケースが配布される。 歯ブラシセットやアイマスク等があり、旅行中に重宝しそうである。その後、照明も落と される。現地到着後、早朝から行動する事を考えて就寝。


8月13日(日)
ドイツ1日目のルート

●早朝の到着
 フランクフルト到着2時間前に照明が付き、朝食のMeal serviceが始まる。朝食は中華 と洋食の選択。洋食をChoiceするとソーセージだった。ドイツが近づいた事を実感。外は 暗闇であるが、時々夜景を見る事ができる。現在地の地図を見れないので何処の街かは不 明であるが、どんな街であるか想像するだけでも楽しい。
 早朝5時過ぎに無事にフランクフルト国際空港に着陸。初めてEURO圏に足を踏み入れる。 何事も無く入国審査を通り、N君は成田で預けた荷物を受け取る。どうやらLost baggage だけは免れたようだ。

Frankfurt行きの機内にて Meal Service(夕食)
早朝の風景 Meal Service(朝食)

●German rail pass
 今回の旅行ではドイツ各地の移動に鉄道を使う。その為、予めドイツ国内の優等列車を 含む殆どの列車が乗り放題になる乗車券「German rail pass」を日本で購入しておいた。 この乗車券はDBこと、ドイツ鉄道(Deutsche Bahn)の窓口で使用開始の手続きが必要で ある。幸いにしてFrankfurt空港には鉄道駅が直結している為、鉄道の窓口がある。という 訳でまずは使用開始の手続きを行うべく窓口へ向かう。
 窓口に着くと、早速行列が。しかも10組以上のグループが並んでいて、窓口がある部屋 の外まで人が並んでいる。しかし、開いている窓口はわずか2つ。間違いなく窓口が少な すぎるのが原因であるが、早朝なので仕方がない。開いているだけ有り難いと思わないと。  20分以上待ち、ようやく順番が回ってくる。
Passportを提示して
「Validate please」
と言い、使用開始手続きを行う。有効期間、Passport番号等、必要事項の記入、そして使 用開始を示すスタンプをポン!と押せば手続き終了。あっさりと終わってしまった。並ぶ 時間は長いが手続きは一瞬。まさに遊園地のアトラクションの様である。
 しかし、この乗車券はまだ使用できない。使用開始前に自分自身で使用する日付を入力 する必要がある。ボールペンで今日の日付を入力して、ようやく使用できる。日付の入力 も終わり、窓口を後にして長距離列車が発着するPlatformを目指す。

●いきなり予定変更
 最初に乗る列車はICEのMünchen行き。丁度、PlatformにはMünchen行きの列車が停まって いるので早速乗車。入口に車掌が立っているので乗車券を見せるとそのまま車内へ通される。 ドイツの列車は自由席、指定席の区別が存在しない。各座席の所に電光掲示板があり、予 約が入っている場所は、予約が入っている区間が表示される。逆に何も表示されていない 場合は予約が入っていない事を意味する。車内に入り、座席の所にある電光掲示板の表示 が無い、すなわち予約が入っていない場所を発見して腰を下ろす。
 これで無事に目的地へ到着できると安心。しかし、この列車はMünchenには行きであるが、 我々が行こうとしている途中停車駅「Heidelberg(ハイデルベルグ)」を通らない列車で あった。気が付いた時には既に列車は発車していた。がーん、いきなりやってしまった(笑) ドイツの列車は同じ行き先でも色々な経由が存在する。その為、行き先が合っていても自 分が行こうとする目的地を経由しているかを確認しなければならないのである。いきなり の失敗であるが、挽回は可能である。幸いにして、この列車の次の停車駅はFrankfurt Hbf (「Hbf」は「Hauptbahnhof」の略。和訳すると「中央駅」)である。ここで乗り換えれば 時間は遅くなるがHeidelbergには行く事ができる。
 ここで、N君と今後の予定を検討した結果、当初の予定通りHeidelbergに行っても早く 着きすぎてしまい、観光するには良い時間帯ではないという結論に達する。そこで、この 列車にそのまま乗車して経由地であるNürnberg(ニュルンベルク)の街を観光する事に する。Nürnberg到着は9:30と観光するには丁度良い時間帯である。

Frankfurt Flughafen Fernbf 6:42 → Nürnberg Hbf 9:28 ICE 825 for München Hbf

 Frankfurt Hbfで方向転換してNürnbergを目指す。車内は空席が目立っていたので、車 両中央部の大きなテーブルがある座席に移動。この座席で資料を見ながら今後の予定を検 討できる。到着まで2時間半、今後の予定を立てつつ初めてのドイツの車窓を眺める。Nu rembergまでは在来線を走るのだが列車はかなりSpeedが出ている。普通に160km/h出せる のは大陸ならではである。Nürnberg Hbfにはほぼ時刻通りに到着する。

Frankfurt Hbfに到着 ICE車内に置いてある冊子
ICEからの車窓(その1) ICEからの車窓(その2)
Nürnberg Hbfに到着 Nürnbergまで乗車した列車

●最初の見学場所は?
 列車を降りると寒っ!ぶるっと震える。しかし天気は申し分ない快晴。まだ朝だし、こ れから気温も上昇するだろう。また、これから観光するので歩いていく内に寒さを感じな くなると判断。まずは駅の売店で水を購入。€1.5とかなり高い。しかも水だと思って 買ったのだが思いっきり炭酸水であった。最初は違和感があるが徐々に慣れそう。飲用と して普通に炭酸水が売られている事に驚く。
 さて、Nürnbergはドイツの鉄道発祥の地で、その為かDB博物館がある。まずはそこ へ行く事にする。DB博物館は日本で言えば秋葉原にあった交通博物館に相当する。どち らも鉄道を中心に扱うのは同じであるが、交通博物館が鉄道以外の交通機関を扱っている のに対し、DB博物館は電話などの通信や郵便など鉄道に密接に関わったものを扱ってい る。電話等は実際に本物の交換機があり、受話器を取って電話番号を入れると交換機がガ チャガチャ動作して、別の電話のベルが鳴る。実際の交換機の動作を見る事ができ、かな り楽しい。かなりのvolumeであり、じっくり見ると半日程度掛かりそうだが他にも見たい 場所があるので、2時間程度で後にする。

Nürnberg Hbf 中央駅前の風景
DB博物館 展示車両(その1)
展示車両(その2) 模型の展示

●腹ごしらえ
 DB博物館を出ると昼時になっていた。これからNürnbergの高台にあるカイザーブル クという古城に行く事にする。Nürnbergは古い街並みが見事に残っているので、街歩き しながら行く事にする。石畳の道路に中世の建物が並ぶ、なんだかAnimation映画「魔女 の宅急便」の世界を歩いている様である。
 途中、マルクト広場で小休止。広場にある聖母教会では正午鐘が鳴る。鐘の音が周囲に 響き渡りとても良い雰囲気である。
 鐘が鳴るのと同時に腹も鳴る(笑)Guidebookを見ると近くにソーセージ料理の店があ る事が判明。早速行ってみる。今日は晴れているので店の外にも座席がある。外でビール を飲みながらソーセージ料理を食べるのも良いなと思いきや残念ながら空席が無い。座席 を求めて店内に入ると空席発見!窓際に近い座席に腰を下ろす。店内も大盛況でビールを 飲みながらLaunchを楽しんでいる。
 と言う訳で、我々もビールとソーセージを注文。そして、ビールで乾杯!旨っ!昼間か ら堂々とビールが飲めるなんて、ドイツはなんて良い国なんだろう!
 続いてソーセージ料理。これまたビールに合う味!めちゃめちゃ旨い!!大満足で店を 出る。

Nürnbergの街並み(その1) Nürnbergの街並み(その2)
Nürnbergの街並み(その3) 昼食(Nürnberg Sausage)
聖母教会

●カイザーブルクへ
 腹を満たした所で高台を目指す。石畳の坂道を登る。坂を登り切るとカイザーブルクで ある。初めて見るヨーロッパの古城に感動。また、高台にあるので、そこからNürnberg の街並みを一望できる。これまた見事!カイザーブルクでは内部を見る事ができるが、1 時間半程度要する事が判明。我々はこれからMünchenに行かなければならない為、内部 の見学は断念。カイザーブルク内の見学は次の機会に譲ることにしよう。

カイザーブルク(その1) カイザーブルク(その2)
Nürnbergを一望(その1) Nürnbergを一望(その2)

●Münchenへ
 坂を下り来た道を戻る。マルクト広場の先まで行くとU-Bahn(地下鉄)の駅がある。 Nürnbergはドイツでも大きな街で地下鉄が2路線存在する。Nürnberg Hbfまでは歩いてい ける距離であるが、折角なので乗車してみる。乗車券は自動券売機で購入するのだが、駅 名と運賃の対比表しか無く、日本のように路線図付きの運賃表が無い。Nürnberg Hbfの 運賃を検索していると、通り掛かりの人が「何処に行くんだい?」と聞いて来て、どの運 賃を買うのかを教えてくれる。無事に乗車券を購入。お礼を言ってからPlatformへ向かう。 改札口は無くPlatformへの入口の所に打刻機(Ticket Canceller)がある。乗車券を打刻 機に入れると、「ガチャン!」と音がして乗車券に時刻が印字される。これをしておかな いと検札が来た際に乗車券を持っていても不正乗車扱いされてしまう。Platformに行くと 程なく列車が入線。Nürnberg Hbf までの一駅であるがU-Bahnの旅を楽しむ。
 Nürnberg Hbfで下車して階段を登るとDBの駅である。早速時刻表を見ると、すぐに München行きの列車が来る事が判明。Platformへ急ぎ列車を待つ。今回もICEに乗車する。 来たのは初代ICEである。NürnbergからMünchenまでは高速新線があり新幹線らしい走 りを体験できると期待したが、乗車した列車は高速新線を経由しないRouteであった。 うーん残念。

Nürnberg Hbf 14:28 → München Hbf 16:12 ICE 787 for München Hbf

 München Hbfに予定通り到着。欧州の中央駅らしい、とても大きな駅である。

U-Bahn駅の入口 München行きの初代ICE
München Hbf到着 München Hbfの構内

●宿探し
 今日の宿は予約済みであるので行くだけで良い。宿の名前は「Tryp Hotel」でここに2 泊する予定である。Internetの口コミ情報で好感触を得られた書き込みが多かったので、 ここをChoiceしている。しかし、日本語で予約できるSiteは軒並み満室。さすが盆休みな のか!日本のSiteは部屋の在庫を切らしている様子。しかし、ここはドイツ、盆休み自体 の影響は少ないと判断。英語のSiteで検索してみると見事にBingo!在庫を持っている Siteを発見することができ、無事に予約できたのであった。München Hbfを出ると雨が降っ ている。初日から傘を必要とするとは運が悪い。傘を出し、10分程度歩き、多少道に迷う ものの無事に宿に到着。Check inして、暫く部屋で休憩。初めての欧州の上、早朝から行 動しているので、疲れが溜まっている。

●夕食へ
 疲れていても夕食を省略する事はできない。ドイツ料理を堪能せねば!という事でGuidebook を見て店を決める。検討した結果、Marienplaz bahnhof(マリエンプラッツ駅)近くの店 に決定。店が決まった所で出撃開始!München Hbfの地下からS-Bahnに乗りMarienplaz bahnhofへ行く。
 S-Bahnとはドイツの都市圏で走っているDBの通勤路線である。もちろんDBの路線な のでGerman rail passが使用可能である。Marienplaz bahnhof前では野外コンサートが開 かれ、周りには多くの出店が開いており、とても賑やかである。コンサートを見てしまう と食事の時間が遅れてしまうので、ここは食事を採ることにする。
 予め宿で決めた店に行ってみると残念ながら空席が無い。仕方ないので付近にある別の 店に行ってみる。今度は空席があり座る事ができた。ビールを飲み、夕食を食べる。窓か らは夕暮れの街並みが。そして時折、Tramが通り過ぎる。欧州に来た実感が沸いて来る sceneである。
 食後、外に出ると既に日が暮れている。夜の街を歩くのも良いが、まだ土地に慣れてい ないのと、明日は早朝から行動する事になっていたので、S-Bahnに乗って宿に戻り就寝。

Restaurantの前にはTramが走る 夕食


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