●プロローグ
幼少の頃から憧れだった寝台特急、通称「ブルートレイン」
東京を夕方に出発し、翌朝、九州へ入る寝台特急は、大人になったら絶対乗りたい!
と思っていました。
しかし、その後も乗る機会が無く、ついに2009年を迎えてしまう。
そして、ついに寝台特急は乗客減等の理由により、2009年3月14日のダイヤ改正で長い
歴史にピリオドを打つ事が決定する。
そうなると、ダイヤ改正後は乗りたくても乗る事ができなくなってしまう。
これが乗車の最後のチャンス!
一度は乗っておこう!という訳で最初で最後の九州へ寝台特急の旅に出る事にする。
出発日は2月27日(金)
早速、「みどりの窓口」で寝台特急の予約を試みるが、同じ事を考えている人は多いの
か、全て満席。その後も何度も窓口へ足を運ぶが予約を取る事はできなかった。
もう駄目かも、という諦めムードも出てきた出発前日の2月26日。
出勤前に「みどりの窓口」へ行くと、駅員さんの一言。
「富士」のB寝台なら1席空いてますよ。
よっしゃー!!!
即効で発券して貰い、寝台特急に乗る事が確定!
そして、出発当日の金曜日、大分までの乗車券を購入して準備完了。
午後半休を頂いて旅行準備の後、東京駅へ向けて出発するのであった。
●今回使用した乗車券
今回は久しぶりに「周遊きっぷ」を利用。周遊きっぷの大分ゾーンは、大分県の特急を
含むJR線に5日間乗車する事ができる。
この乗車券は、周遊エリアのゾーン券と往復乗車券がセットになった切符で、往復の乗車
券が2割引(一部例外あり)となるのが特徴。今回の様に長距離を往復する場合に威力を
発揮する。
実は、この乗車券、あまり良い評判を聞かない。理由は色々とあるのだが、私が思う最大の
欠点は購入するのに手間を要すること。
往復のルートや利用開始日を「ゆき券」、「ゾーン券」、「かえり券」それぞれについて
事細かに設定し、さらに往復の特急券の購入は別途行う必要がある。
また、乗客が細かく説明する必要があるという事は発券手順も面倒ということ。
今回も駅員がマニュアルを見ながら、手順を確認する様に時間を掛けて発券作業を行って
いました。
購入する事自体が億劫な切符という印象を持たれたら、良い評判を聞かないというのも
仕方ないのかもしれない。
シンプルなルールで使い勝手も良かった「周遊券」が懐かしい。
今回の乗車券組み合わせ
項目 | 料金 | 備考 |
周遊きっぷ(大分ゾーン) | 4,000円 | |
周遊きっぷ(ゆき) | 10,860円 | 東京都区内→中津(在来線経由) |
周遊きっぷ(かえり) | 10,850円 | 中津→東京都区内(新幹線経由) |
特急券・B寝台券 | 9,450円 | 寝台特急「富士」東京→大分 |
B自由席特急券 | 460円 | 中津→小倉、乗継割引適用 |
新幹線特急券 | 8,880円 | 小倉→東京 「のぞみ」指定席 |
合計 | 44,500円 |
2009年2月27日(金)
●雨の中の出発
今までの経験上、旅行中、雨に降られる事が殆ど無い為、傘は持って行きたくない。
しかし、自宅を出発する時点で雨が降っていれば、どうにもならない。
という訳で、やむを得ず持って行くことに。でも、すぐに使わないと予想している為、折りたたみ傘にする。
まずは東京駅へ向かおう!
東京駅到着後、駅弁を購入する。今回は仙台駅名物、牛タン弁当をチョイス。
東京駅で仙台駅の駅弁を普通に売っているとは、凄い時代になったものだ。
駅弁購入後、「富士」が発車する10番ホームへ向かう。
ホームに到着すると既に列車が到着していて、機関車の付け替え作業が行われている。
ホームには別れを惜しむ乗客が思い思いに写真を撮っている。
東京駅ホームの様子 | 寝台特急「富士」 |
電光掲示板 |
ホーム上で暫く撮影した後、車内へ入る。今日の寝台は上段である。
本当は下段を取りたかったが、残り1席という状況では仕方ないだろう。
乗車駅 → 下車駅 | 列車名・種別 | 行先 | 列車番号 |
東京18:03→大分11:17 | 寝台特急 富士 | 大分 | 1レ |
では乗りましょう! | 車内よりホームを望む |
車内の様子 | B寝台 |
列車は定刻の18時3分にゆっくりと東京駅のホームを出発。今日の運転士は運転が上手い!
発車後、暫くしてから駅弁を頂く。うん、旨い。
牛タン弁当 | いただきまーす!!! |
今回は個室ではなく開放B寝台。2段ベッドが隣り合った4人部屋になっている。
隣の人と話したり、車内を歩いたりして寝台特急のひと時を過ごす。
一人旅の場合、個室よりこのような寝台の方が楽しいかもしれない。
何も考えずに流れ行く夜景を眺める。至福のひと時だ。 |
今日の「富士」は満席であるが、寝台特急は1両当たりの定員が少ない事もあり、窮屈さは殆ど無い。
とても、ゆったりしている。座席(寝台)は常時フルフラットシート(笑)で横になれるし。
飛行機では相当高い運賃を払わないとできない芸当である。
列車は、夜の通勤ラッシュの東海道線を順調に下っていく。窓から夜の風景を見ていると心地よい。
そして、神奈川県、静岡県と入っていく。車窓もビルやマンションから海沿いの景色に変わっていく。
夜の9時頃に「おやすみ」の車内放送が入る。翌朝まで放送は差し控える旨の放送である。
そして、放送終了後、通路の灯りが突然暗くなる。車内も静まり返り始める。
車販でビールを購入。 写真の記念カードはビール購入の際に頂いたもの。 |
●差し入れ、そして就寝
減灯して次の停車駅、浜松に到着。浜松駅ホームのドア越しで大学同期のMちゃんと久々の再開。
今回、寝台特急で旅に出る知らせを受け、わざわざ差し入れを持ってきて頂いた。有難く頂きます!
本当にありがとう!!
浜松出発後、頂いた日本酒を早速頂く。うん、旨い!
そして、夜10時過ぎ。まだ名古屋に着く前であるが、酔いも回ってくる。車内も暗くなって1時間
程経過した上に徐々に眠くなる。
既に寝台に入っている人も増えている事もあり、私も寝台に入り明日に備える事にする。
それでは、おやすみなさい。