●高雄を後にする
まだまだ南台湾を満喫したいが、台風が来ていて交通機関が麻痺すると困るので早めに
台北に戻ることにする。ただ、一気に台北まで北上するのは勿体無いので高雄の近くの街、
台南を観光してから戻ることにする。台南までは50キロ程度あるので列車で行くことにな
る。自強号を使っても良いが、ここは鈍行の旅を再び満喫することにする。
昨日と同様に9:40発の平快に乗車して台南に向かう。まずは9時頃に宿をCheckoutして高
雄駅に向かう。自動券売機で台南までの乗車券を購入する。ちなみに高雄から台南までの
運賃は50元。1時間弱の旅である。
今日の平快も昨日と同様に元復興号の車両である。この列車。雰囲気は良いのだが冷房
車なので窓が開かないのが残念。しかし窓は開かないがドアは常時開門。なんとも不思議
な車両である。定刻に台南に到着。
ドアは常に開放!! |
今回の旅行では青い旧型車両には乗れなかったので近いうちにリベンジする事を誓う。 台湾の鈍行の旅は本当に楽しい。最近はロングシートの銀色の通勤電車への置き換えが進 み、客車列車の平快は風前の灯。ここら辺は何処かの国と事情が同じ様である。
今回乗車した客車列車 | 銀色の通勤電車 |
●台南観光
台南到着後、早速台北までの自強号の乗車券を購入する。しかし駅員から衝撃の事実を
告げられる。
「Sorry, no seat」
と英語で無いと言われる。久々の英語だ(笑)と言っている場合ではなく、席が無いのは
深刻な問題!で、すかさず他の便について聞いてみると
「都沒有」
と今度は中国語で全て無いと言われる。仕方ないので日本で言う「立ち席特急券」のよう
な切符「無座票」を購入。台南→台北間は約4時間。この時間を立ち席で乗るのはかなり
痛い。予め切符を購入しておけば良かったと後悔しても後の祭りである。
気を取り直して台南観光。台南は元々は台湾の中心地だけあって見所は多い。まずは孔
廟に向かう。台湾でも最古のものらしい。入場料を払って孔廟に入ると、昨日左営で会っ
た日本人観光客がいた。何故かガイドさんが変わっていたのが印象的。ちなみに孔廟の隣
には府中街という参道のような通りがある。孔廟見学後に行ってみると道の両側に商店が
立ち並びよい雰囲気。軽い食事もできそうだが、今日の昼飯は別のところで採る事にして
いたので、写真撮影を楽しむだけとする。
孔廟 | 府中街 |
今日の昼食は昨日の夜市で食べた担仔麺にする。ガイドブックにある担仔麺が美味しい
店「度小月」に行くことにする。かなり混んでる。注文はメニューが書かれた紙に数量を
書き込む方式。注文しやすいが自身の勉強の為には言葉で注文したい気分。出てきた担仔
麺は旨い!この旅最大のヒット!
食後はそのまま駅に戻ろうと思ったらが、まだ時間があるので、大天后宮などを参拝して
から台南車站に戻る。
担仔麺。めちゃ旨! | 台南駅ホーム。日本の駅のようだ |
●列車激混み
台南車站構内に入ると人でごった返している。今日は日曜日なので列車が混んでいるよ
うだ。乗車する自強号も4分ほど遅れて入線する。今日の自強号は韓国製の新型である。
車内に入ると乗車する時点で席はほぼ全て埋まった状態。これから4時間立ち席の旅が
始まると思うと気が重い。駅に着く度に大量に乗ってきて立ち席者がどんどん増えてくる。
日本の帰省ラッシュのような混雑になってきた。彰化車站で目の前の座席が空いたので着
席。指定券を持って居る人が来るまで座って良いのが台湾ルール。これで4時間立ちっ放
しは免れた。かなり疲れてるのか。うとうとする。台中で乗客の入れ替えがあり、新たに
乗ってくる人が指定券を見せて席を立つ人を見かけるが私の座る席の券を持っている人は
現れない。ラッキー♪そのまま座らせてもらう。台中からはさらに混雑が激しくなった。
外は天気が悪くついに雨も降ってきた。
車窓から。台湾新幹線の線路が見える |
●突然列車が止まる
16:50頃に楊梅という站にて列車が止まる。この駅は停車駅では無いはずなので何かが
あったらしい。17:05頃に後続の列車も別のホームに到着する。止まった理由は放送が聞
き取れなかったため不明。この帰省ラッシュ顔負けの混雑で止まるなんてついてない。台
中、高雄方面の列車が17:08に通過するが、こちらに負けずに激混み。この列車が通過し
た直後にこちらも発車する。列車の抑止が解除されたようだ。
こうなると携帯で電話する人が大勢出てくるのは日本と同じか。出発後、雨がひどくなっ
てきた。今回の旅行は雨に降られ続けている。
結局、台北には20分強遅れて到着。到着後、ガイドブックに紹介されていた台北車站近く
の安宿に行く。
今日の宿はトイレ、バス共同でベッドはスポンジ丸出し。これじゃ疲れが取れない。し
かし、最終日に4時過ぎに台北車站付近のバス停に行く必要があるので泊まることにする。
これで2日で1,000元は高いが疲れて値切る気力が全然無い。帰りに早朝便に乗る必要が無
ければ泊らなかったと思う。
●夜市へ
折角の台北の夜なんだから夜市に行かないと勿体ない!と言うわけで士林へ。さすが日曜
日!めちゃめちゃ人が多い。さすが台北で一番大きい夜市だけあって活気がある!今日は
チャーハンを注文。中々の味。
もっと夜市を満喫したいのだが、靴ずれが酷くなり足がかなり痛いので断念。海外旅行中
の靴ずれは辛い。
明日の予定を立ててから就寝。足が痛いので何処まで行けるかが課題。
活気あふれる士林夜市 |
●終日台北
今日1日は台北市内に滞在するので、台北市内観光をすることにする。まずは、最近で
きた台北101に行くことにする。宿のオーナーに台北捷運を何処で降りるのかを聞いて
から台北車站に行く。今日は雲が多いものの晴れている。足は痛いが折角天気が良くなっ
たのに観光をしないなんて勿体無いことはできない。
まずは台北車站から板南線に乗車して市政府站で下車。ここから徒歩10分くらいの場所
に台北101がある。事前に駅から台北101行きの無料シャトルバスがある事を知って
いた為、まずは無料バスのバス停を探す。見つかるがバスは午前11時以降からになって
いた。残念。仕方なく歩いていく。
幸い目的地は世界一のノッポビルなので道に迷う心配は無い。再開発地域なのか大型ビル
が立ち並び道路も広い。
台北101 |
このビルの面白いところは今どの位の人が展望室にいるかをリアルタイムで判る仕組みに なっている。さらに入場制限があるらしく、快適に下界の景色を見ることができる。ちな みに今回は10時きっかりに到着したので入場制限とは無縁の世界。
入場時間になると超高速エレベータに通され、あっという間に展望室に到着。めちゃめ ちゃ速い。ちなみにエレベータは東芝製。日本の技術は凄いと思う瞬間である。展望室に は音声ガイド端末を無料で貸してくれる。借りる際にパスポートが必要との事なので。汗 がたっぷり染込んだパスポートを差し出す。こりゃ嫌がらせだな(笑)ちなみに日本語の 貸して欲しい旨を中国語で言ったら日本語で返された。さすが日本人が多そうな観光地。 日本語対応がバッチリだ。事実、周りを見ると日本人だらけ。。。
天気がそれほど良くない為、視界はイマイチであったが展望室から一望できる台北市内 は最高。気がつくと1時間も長居してしまった。
展望台からの景色 |
●次の場所は
台北101の次は烏来に行くことにする。市政府站まで戻り再び台北捷運に乗車。台北
車站で新店站行きに乗り換えて終点まで行く。さらに新店站からはバスに乗り換えて終点
の烏来まで行く。
新店站から乗車するバスは乗るときに運転士に行き先を言ってお金を払うタイプ。Easy
card端末があったのでタッチして「烏来」と言うと運転士から25元と言われ支払う。じ
ゃ、Easy cardは意味無いじゃんと思うが、新店→烏来の運賃は40元。Easy cardから15元
引かれ、差分の25元を現金で支払うシステムらしい。台中のバスのように乗る時と降りる
時にタッチすると自動的に運賃が引かれる機能は実装されていない。台北市内の15元均一
のバスと同じ端末が付いているだけらしい。
運賃を支払うと運転士から切符の様なものを貰う。そこには新店→烏来と書いてある。
運賃先払いという点を除いて日本の距離制のバスと似ている。但しお釣りは出ません。
バスはいきなり山道に入りぐんぐん登って行く。景色も台北郊外の景色から山の中の景色
に一気に変わっていく。25分ほどで終点の烏来に到着。
新店車站 | 烏来行きのバス |
さっそく烏来の町を歩く。狭い道に食堂や土産屋が軒を連ねる。あちこちに温泉マーク
があり、ここが温泉の町という事を伺わせる。
ここに来たのは烏来の露天風呂を見てみたいというもの。露天風呂は渓谷沿いの道を降
りるとあり地元民で混雑していた。今回は水着を持ってきていないのと貴重品の管理が大
変そうなので見送り。湯船に手を入れて温泉であることだけを確認した。
烏来温泉街 | 烏来の無料露天風呂 |
●温泉に入りたい。。
露天風呂は諦めたとはいえ、折角、烏来温泉まで来たのに汗だくで台北へ帰りたくはな
い。
そこで、とりあえず日帰り入浴をやっている飯店を探すことにする。水着が必要ならその
場で購入すれば良いというノリで。温泉街を歩くと200元で入浴可能と書いてある飯店
を発見。早速行ってみる。中に入ると大浴場は350元になっている。看板の1.5倍かよ!と
突っ込みたくなったけど、以下のように聞いてみる。
「温泉に入りたいんだけど、水着を持っていない。水着は必要か?」
すると
「不要」
との答え。
キターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
台湾では基本的に水着がないと温泉には入れない。しかし日式温泉、つまり日本と同じタ
イプの温泉も中にはあり、ここだと日本と同じよう水着なしでに入れる。
通常なら高いから止めようかなと思う所だが、今の気分は
350元は高すぎる <<<<<<<<< 温泉に入りたい
という図式が成り立ち。速攻で350元という大金を払う。すると係りの人からフェイス
タオルとバスタオルとロッカーの鍵を渡されて浴場へ案内される。
浴室に入ると初老のおじさんが丁度出るところであった。他には誰もいない。。。
と言うことで広い浴場貸し切り状態!!
日式浴場 |
まずは汗だくになって汚れた体をさっぱりと洗ってから湯船につかる。
ざっぷーん、あああああ(声にならない)、幸せ♪
結局入浴中に他の人が来ることもなく、一人でゆっくり浸かることができた。
●烏来を後に
烏来はトロッコ列車や滝があったりして温泉以外にも見所はあるのだが、足が痛くて断
念。今回は温泉だけにしておいて次の機会にとっておくことにした。烏来行きのバスに乗
る直前、ぽつぽつと雨が降り始める。相変わらず運が良い。帰りは山道を下っていく。温
泉上がりで眠くなるが新店站で降りないとならないので寝るわけには行かない。山を降り
たらそろそろ新店站だが相変わらずアナウンスは無いので降りるタイミングが難しい。そ
こで隣に居たおばちゃんに聞いてみた。
「新店站に行きたいんだけど、どこで降りれば良いのでしょう?」
発音が悪いのか、本当に判らないのかが、はっきりした答えをもらえない。すると別のお
ばちゃんが
「どこ行くんだい?」
と聞いてくる。
「新店站です」
「じゃ、次のバス停だよ」
と親切に教えてくれる。台湾の人は親切な人が多い。お礼を言ってバスを降りる。バス停
の直ぐそばに新店站があった。
新店站からは台北捷運の乗車して台北市内へ向かう。
台北市内で土産を購入して一旦宿に戻る。
●中華に飽きた第2段
そろそろ中華に飽きたところ、別なものを食べたいという事で、第2段は吉野屋!台湾
では牛丼が食べられるので、今回の旅では是非食べてみたかった。台北車站内の吉野家に
行ってみるが、めちゃめちゃ混んでいてゆっくり食べられない。そこで、宿周辺を歩いて
吉野家を探すことに。ところが、ここにきて足の痛みもやばい状態に。右足の靴擦れが3
カ所になり痛くてまとも歩けない状態が続いたため、左足に負担が掛かっていたのか、左
足も痛み始めてきた。(但し、靴擦れという状態ではなく疲労によるもの)
明日の早朝に帰国するにあたり、これはまずい!!
早く見つけないと!しかし、吉野屋は見つからない。めちゃめちゃ混雑していても台北駅
内の吉野屋にしておけばよかったと本気で後悔する。
最後はもう何処でもいいや!という気になり台北地下街に行ってみるが、よりによって
美食街は今居る場所の反対側!じゃ、中山地下街だ!と行ってみると、かなりしょぼい。
とりあえず外に出て宿に着くまでにあった食堂で夕食を済ませようと考えて宿に向かう途
中に吉野屋発見!!しかも24時間営業の上、空いている!!
久々に吉野家の牛丼にありつけるのでした。食後、コンビニで今回旅行最後となる台湾ビ
ールを購入。宿で飲むこととする。
●台北101夜編
折角、一眼レフのカメラを持ってきたので台北の夜景を納めたい!しかし、足が痛くて
それどころじゃありません(涙)
カメラがあると撮影に行きたくなるのは自分の性格上分かっているので既にしまってしま
った。もう、宿を出る準備は万全!
●パブリックルームで
今回泊った宿にはテレビが無いがパブリックルームがあり、そこでテレビを見ることが
できる。パブリックルームに行ってみると初老のおじさんが経済ニュース番組を真剣に見
ていた。こちらに気がつくと一言。
「Are you Japanese?」
「Yes」
と答えると日本語で話しかけてくる。経済番組が一段落したのか、チャンネルをNHKに
変えてくれた。ねぶた祭りの特集をやっている。で、ねぶた祭りの題材は中国の歴史に絡
むものが多く、いろいろと教えて貰う。
彼はベトナム生まれの香港人との事で、20年前に東京都下(国分寺)に住んだことが
あるとのこと。日本語が話せるのは、そのためらしい。
このような出会いがあるのはパブリックルームならでは。普通にシングルルームに泊まっ
ていたら話す機会すらないだろうし。安宿の面白い点を見つけた気がする。番組終了後、
おやすみの挨拶をしてそれぞれの部屋に戻る。
●ついに帰国
今日は早朝に台北を発たなければならない。ここで寝坊すると帰国できない訳である。
寝坊すると航空券を買い直そうとしても、この時期の日本行きのチケットなど買える訳が
無いし、さらに航空券代を下げるために成田から関空にして時間帯が最悪の飛行機をチョ
イスした苦労が水の泡となってしまう。それだけはさけなければ。
では、どうするか?
寝なければ良いじゃん(笑)
頑張って4時まで起きることにする。適当に本を読みながら時間をつぶす。と言っても折
角纏めた荷物をバラスのは嫌なので読める本は限られてくる。ていうか地球の歩き方位し
かない。
3時50分にチェックアウトして(と言っても部屋のノブに鍵を差し込んで宿を去るだけ
)バス停へと向かう。足が痛いので歩く速度が遅くて時間が掛かるがバスの発車時刻まで
1時間有るので全然大丈夫。
バス停に着くと誰もいない。しばらくすると一人、一人と現れる。そのうちの一人に英語
で声をかけられる。
話をすると日本人と判り、日本語に切り替えて話す。彼は宿を取らないで台北の街を観光
していたとの事。凄いの一言。無謀な気もするが、このような行動力は素晴らしい。
彼は言葉がしゃべれなかったが、何とかなったとの事。台湾では意外と片言の日本語が通
じたりするので、何とかなってしまうかもしれない。
5時前に空港行きの切符売り場の窓口が開き切符を購入する。事前に始発のバスは満員で
乗れないことがあるとの情報を得ていたが今日は満席にはならなかった。しかし、座席は
9割程埋まっていたので満席の日はあるかもしれない。さすがにこの時間は道路が渋滞す
ることも無くバスは40分で空港に到着。無事に2時間前に空港に着くことができた。早
速チェックインしようとするが、めちゃめちゃ混雑している。
e-Ticketは搭乗客が操作するので、今までより時間が掛かっている。列に並んでいると、
係りの人が話しかけてきて他の人はいるか?と確認する。「居ないよ」と答えると別のカ
ウンターに通される。その際、うちはe-Ticketだけど良いのか?と英語で確認すると、ス
ピーディにチェックイン業務を行いたいので問題なしとのこと。じゃ、e-Ticketって全然
システムの効率化に貢献して無いじゃん(笑)
でパスポートを提示してチェックインを行うと、いきなり
「Can you speak Chinese?」
なんなんだ、この窓口は(笑)
で、話を聞くと日本航空の座席に振り替えてほしいとのこと。(理由については部分は聞
き取れなかった)
で、その飛行機は何時に着くのかを確認すると台北10時半発で関空到着は午後の2時半
とのこと。
これだと18切符で確実に帰れなくなので、関空に着いたら東京まで行く必要がある旨を
伝えるとNWでチェックインされた。そもそも、10時半の飛行機に乗ったら折角の早起き
の意味が無いし台北車站すぐ近くの安宿に泊る必要も無かった。
さすがに朝早く市内の店は開いていないので朝食を採っていないので空港で食べること
にする。中華料理が食べられる店がオープンしていたので今回の旅で大ヒットだった担仔
麺を注文。しかし、味が淡白しすぎてイマイチ。素直に牛肉麺にすべきだったか。
Northwest航空は行きと違い予定通りの離陸。機内で再び朝食を採り睡眠。徹夜明けと
安心感からか爆睡。飛行機は予定時刻通り関西空港に到着、日本入国。
●日本到着後
関西空港駅で18きっぷのスタンプを押してもらい、関空快速から各種鈍行を乗り継いで
帰京するのであった。途中、新幹線でショートカットして帰ろうとしたが、足の負担が全
然掛からなかったので、そのまま鈍行で帰京。
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